明暗が分かれた静岡の両雄

後半、磐田はドリブラーの古川陽介を投入し、攻勢に出る。対する清水はバックを5枚にして中を固めて引いて守る陣形をとった。

さらに62分には、守備に定評のある吉田豊を投入。サイドで厄介な存在になっていたドゥドゥを封じ込める作戦に出た。磐田は良い攻撃はできていたが、清水の堅いディフェンス陣に阻まれてシュートが打てずに苦戦していた。

そんな状況を変えるべく、磐田は64分、18歳の新星・後藤啓介を投入し、点をとりに行く。その後藤は74分にコーナーキックからヘディングシュートを放つもゴールラインライン際で原輝綺に防がれる。一方、清水も77分に西澤健太を投入。こちらも追加点を奪いに行く姿勢を示した。

80分を過ぎると磐田が波状攻撃に出る。清水も守りながら、隙があればカウンターを狙い最後まで追加点を狙った。どちらのチームもうまくゴールの繋げられず、試合は1-0のまま終了したが、結果としてははっきりと明暗が分かれた試合になった。

磐田は80分以降流れの中から打ったシュートを全て相手の守備に跳ね返され、後半は前半よりも攻められずにいた。ただ、間違いなく良い試合はできていた。守備陣も奮起し、後半終盤もカウンターになりかけた場面もしっかりと対応していた。だからこそ41分の失点が悔やまれた。

清水はリーグ2位の失点数を誇る強力な守備陣が躍動。だが、本来のサッカーをさせてもらえなかったのは確かだ。今季ここまでの37試合のうち32試合は支配率が50%を上回っており、パスを中心としてゲームを組み立てるポゼッションサッカーを持ち味としているが、この日は45%と下回った。ただ、サイドを主軸とする攻撃は効果的だった。

【関連記事】清水エスパルス「歴代最高ユニフォーム」5選 “地図”は世界が認める名作デザイン

両チームとも残りは4試合。J1昇格争いは自動昇格圏、プレーオフ圏ともに熾烈を極めている。2位清水と3位東京ヴェルディ、4位磐田の勝ち点差もわずか2ポイントだ。ここからどのようなドラマが起こるのか注目したい。

【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手