この後半もかなり課題が多かった。ボランチの選手にボールが入ったところで、両ウィングが開き、ボランチのもう1人が横のパスコースを作り、トップ下が落ちて出来たスペースにアンデルソン・ロペスを走らせてキーパーと1対1を仕掛けさせるのが理想だろう。

しかしアンデルソン・ロペスは後半、良い動きもあったが密着マークにあい、前線で鳴りを潜めていた。それにより、チームはターゲットを失い、結局シュートまで辿り着けない。また、後半になって守備も軽率になり始め、徐々にチームが崩れていく。

その中で、この試合では右ウィングのヤン・マテウスが良い活躍を見せていた。前節・鹿島戦の前半のような消極的な姿勢はなく、果敢に1対1を仕掛けていき、チームのチャンスを演出していた。惜しいシュートも何本か放っており、復活を遂げたと思われる。

左のエウベルも大一番に闘志を燃やしていた。積極的にカットインをしていき、シュートを放っていく姿は、昨年度のエウベルを連想させた。

このブラジリアンと共に攻撃を組み立てていた西村は、後半に徐々に調子を上げていた。後半の攻撃のポジショニングが非常に良く、何度も起点になっていた。その中でのナム・テヒとの交代は少し疑問が残った。

F・マリノスは結局このあとの時間、ボールを回すも奪われては神戸にカウンターを仕掛けられる展開に。このあと吉尾海夏、宮市亮、水沼宏太を投入するもなすすべなく試合終了。欲しかった勝ち点3は優勝争いをするライバルのものとなった。

試合内容としてはマイナス面が多かったものの、ボランチの2人、渡辺皓太と山根陸の働きぶりは目を引いた。特に山根は要所で見せる高いボールキープが光っていた。

残りは5戦。上位陣との対決はなく、ACLとルヴァンカップの後に再開される。直接対決で敗れたと言っても勝ち点差はまだ4ポイント。チームとしてしっかりと修正を行い、残りのリーグ戦、悔いのないよう戦い抜きたい。