――たしかに、最近はエクアドルなども選手が若くして欧州を渡りチームが強くなってきた印象があります。

“いい素材”はいるので、いかに規律などを植え付けていくかで変わる部分はあります。

昔はやっぱり技術だけとか、規律がなくてもサッカーの上手さだけで何とかなった部分があるんですけど、現代サッカーだとなかなかそれは通用しないですからね。それが変わったのは大きいところではあるかもしれません。

アルゼンチンでプレーしたペルー人選手の“明暗”

――ペルーの日系人といえば、ボカにホセ・ペレーダ・マルヤマという選手がいましたよね。ペルー行きは彼との繋がりもあったという話しも聞きました。

いや、色々情報も聞いていたんですよ。(ボカには)それこそ(ノルベルト)ソラーノという選手もいたりですね。ようはペルーのエリート選手は、逆にアルゼンチンを使って海外にステップアップする。アルゼンチン経由のほうが移籍金や給料が高くなるケースもあるわけです。

やはりアルゼンチンリーグでもやれたという評価から、ソラーノやイタリアで活躍した(フアン・マヌエル・)バルガスなどのケースもありますし、チリのサラスやコロンビアのファルカオなどもそういったケースの選手と言えるでしょう。

古くからボカにも結構ペルー人選手がいるんですよ。今も(カルロス・)サンブラーノは2022年に退団しましたが、ルイス・アドビンクラが現在も在籍しています。やっぱり「ソラーノの再来」と言われヨーロッパのビッグクラブに行くことを期待されています。

ペルー人は南米の中でもボールを扱う技術は高く、しかし日本人みたいに最後は遠慮してしまうのですかねえ、アルゼンチンで成功するのは結構難しいんですよ。

クリスタル時代のチームメイトでキャプテンを務めていた選手も本来はトップ下など攻撃的な選手でしたが、ソラーノ同様にアルゼンチン国内リーグではサイドバックとしてプレーして「いやーアルゼンチンは難しかった」と言っていました。ただペルーに戻ったらかなりのリーダーシップでまた攻撃的なポジションをやっていました。

ですから何人かですね、アルゼンチンで成功したペルー人は。謙虚な感じでファンにも受け入れられ、うまくその国のサッカーにも溶け込み自分を表現する。厳しいアルゼンチンのサッカーに食い下がって、やっぱり戦術的なこととかを覚えたりとか、チームの一部になるというのは同じ南米に生まれてもある程度、サッカーを見せ合う国からやってきて結果重視のアルゼンチンで戦うのはそれはそれは努力したんでしょうね。