確かに、様々なタレントをチームに組み込み、「特定の選手に依存することなく、誰が出ても機能する」というのは極めて理想的である。代表はケガなどの理由でいつも同じメンバーを呼べる訳ではなく、各人のコンディションにバラつきもある。
しかし、ある程度メンバーを固定して戦わなければ、選手たちも持っている力を存分に発揮できないはずだ。
特に攻撃陣は、コンビネーションがモノを言う部分が大きい。代表活動はスパンが短く、限られた時間の中で崩しのイメージを共有していかなければならない。動き出しが武器の上田と古橋亨梧は出し手との連係がとりわけ重要である。
よって、両名の持ち味を生かすには、メンバーを固定して根気強く戦うほかない。「ローマは一日にして成らず」という有名なことわざがあるが、同じく「連係は一日にして成らず」なのである。
仮に上田をサムライブルーの得点源として開花させたいのであれば、6月の2試合はどちらも上田をスタメンで起用し、結果にかかわらず最低でも60~70分のプレータイムを与えたい。実現は当人のコンディションにもよるが、このくらいの覚悟が必要だと考える。もちろん、三笘薫および久保建英と長時間プレーさせるべきだ。
上田にとって追い風なのは、東京オリンピックを戦ったメンバーが今回の攻撃陣に多いことだ。三笘&久保という二枚看板はもちろん、堂安律や相馬勇紀もおり、(2列目での起用はおそらくないと思われるが)前田大然と旗手怜央も招集されている。
特に上田と三笘は、金メダルを獲得したユニバーシアード2019でともにプレーしており(※今回の代表選手では旗手と森下龍矢も優勝メンバーだった)、当時から信頼関係を築いてきた。
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三笘のパスまたはクロスに上田が合わせてA代表初ゴールを決める――。こんなドラマチックな展開が見られるかどうかは、森保監督の采配に懸かっている。