こうした世界の時流を考えると、ミズノの『モレリア』も近い将来、カンガルーレザーではなくなってしまうのだろうか…。安井氏がスパイクの開発者として語ってくれた。
「開発の立場から言うと、世の中の流れに合わせていく…世の中が変わっていくのにミズノの商品は変わらないというのはまた別の話です。
なぜモレリアが38年も続いているかと言えば、やはりその時々のマーケットの動きに対して、少しずつ修正などを施し、そこに合わせてきたからこそ続いているわけです。もしも本当に『天然皮革でなくてもいいね』といった流れになれば、そちらへ行かざるを得なくなるというのはあると思います。
ただ、サステナブルということを考えた時に、天然皮革がサステナブルではないのかと考えた時に、それは違うんじゃないかと。天然皮革こそサステナブルだと僕は思っているんです。人工皮革は石油からできる部分があるので、そこを石油ではないものから作ろうとしている動きはあるんですけど、現時点でわかりやすく言ったら、(僕らは)肉を食べて、皮を使っているわけです。
そういう意味からすると、サステナブルではあると思うので、天然皮革がなくなるということはないと思うんですけど…とはいえ、色々な問題がありますからね。カンガルーは放牧みたいなこともできないですし、自然のものなのでなかなか難しい問題はあるんですけど。
今の流れでいくと、サステナブルというところで考えたらやっぱり天然皮革というのはなくならないと、僕は今のところ思っています」
近年、オーストラリアではカンガルーが増えすぎ、現地では害獣として処理されていることが伝えられている。
「駆除しなければ生態系が維持できない」とも言われる中で、カンガルーレザーの利用をやめることが果たして“サステナブル”(持続可能)なのか―。
ただ、日本メーカーにとって今後、海外のマーケットがより一層重要になってくることも間違いない。
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果たしてミズノと『モレリア』の決断はいかに…。Qolyとしても引き続き注目していきたい。
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