絶対的エース・鈴木優磨を活かすには

前述したアルビレックス新潟戦とガンバ大阪戦で変化が見られたのは、ハードワークだけではない。採用されたシステムにも変更点があった。

  • 第4節vs 福岡:4-4-2(2トップは鈴木優磨と知念慶)
  • 第5節vs 横浜FM:4-3-3(3トップは右から藤井智也、鈴木、知念)
  • 第6節vs 広島:4-2-3-1(1トップに鈴木、トップ下に土居聖真)
  • 第7節vs 柏:4-2-3-1(1トップに鈴木、トップ下に土居)
  • 第8節vs 神戸:4-2-3-1(1トップに鈴木、トップ下に荒木遼太郎)
  • 第9節vs 新潟:4-4-2(2トップは鈴木と垣田裕暉)
  • 第10節vs G大阪:4-4-2(2トップは鈴木と垣田)

上記は直近リーグ戦7試合でのフォーメーションと前線の組み合わせである。ここから汲み取れるのは、7試合すべてでスタメン起用された絶対的エース・鈴木優磨をどう活かすか、指揮官が試行錯誤した形跡だ。

鈴木と言えば、様々な役割を担う万能性がストロングポイントである。得点力はもちろん、中盤に降りてのチャンスメイク、時に自陣深くまで戻って体を張る守備などひとりで多くのタスクをこなす。背番号40に全幅の信頼を寄せる指揮官はこれまで、4-4-2の2トップの一角、4-3-3のセンターフォワード、4-2-3-1の1トップで起用し、最適解を探ってきた。

類まれな万能性を最大限活かすにはどうすればいいか。2トップの一角で起用し、セカンドトップ的な役割を担わせるのが一番だと筆者は考える。

例えば、昨季の序盤に上田綺世(現セルクル・ブルッヘ)と形成した2トップは抜群の補完性だった。鈴木がピッチを幅広く動いて組み立てに精を出し、2試合に1ゴールのペースで得点を量産していた上田が仕留める。上田の海外移籍により解消する形となったが、クラブの歴史を見ても屈指の破壊力を誇った名コンビだった。