「強度の高いハードワーク」が今後の生命線に
第9節のアルビレックス新潟戦でリーグ戦5試合ぶりの勝利を手にし、続く第10節のガンバ大阪戦でも4-0と快勝を収めた鹿島アントラーズ。この2試合で見えたのは、「強度の高いハードワーク」だった。
2トップの鈴木優磨と垣田裕暉が、精力的なフォアチェックとプレスバックで相手のビルドアップを制限し、サイドハーフの名古新太郎と仲間隼斗も連動したプレスでボール保持者にプレッシャーをかける。こうした攻撃陣の守備に加え、ミドルサードまたはディフェンシブサードに形成したコンパクトなブロックが機能したことにより、無失点での勝利につながったのだ。
特に、両翼で起用された名古と仲間の働きぶりは素晴らしかった。新潟戦を迎えるまで、ともにリーグ戦では出場機会に恵まれておらず、名古に関しては新潟戦が今季リーグ戦初出場だった。
リーグ戦4連敗中と非常に厳しい状況で迎えたアウェイゲームで、スタメンに抜擢。名古がこの試合に懸ける想いは相当に強かったと推察できる。事実、球際で戦う姿勢とハードワークは群を抜いており、62分にベンチに下がるまで走り続けた。
トンネルを抜けた新潟戦でインパクトのあるプレーを見せた名古と仲間は、次節のガンバ大阪戦でもスタメンに名を連ねる。ともに精力的な動きを見せると、仲間が48分にセットプレーから先制点を挙げ、名古は鈴木のヘディング弾を正確なクロスでお膳立て。ゴールまたはアシストという形で結果を残した。
今後も「強度の高いハードワーク」の継続が予想されるなか、名古と仲間、そして新潟戦での技ありゴールも光った垣田はスタイルのキーマンとなりそうだ。また、プレータイムに恵まれなかった選手たちの躍動により、健全な競争も期待できる。抜擢と勝利を両立できたことにより、「誰でもチャンスはつかめる」という岩政大樹監督のメッセージが熱を帯びたからだ。
次節以降もハードワークを貫き、勝ち点を積み重ねていけるか。連勝で得た手ごたえを一過性で終わらせず、継続していくことが肝要となる。