Hakim Ziyech

チェルシーに所属するモロッコ代表MF。

オランダ生まれでユース世代ではオランダ代表だったが、2015年からモロッコ代表でプレーしている。ヴァヒド・ハリルホジッチ監督との衝突で一時代表から引退したが、指揮官が解任されると代表に復帰し、昨年のW杯出場も果たした。

出自の影響で日本ではツィエクという表記もされているが、本人の発音がこちら。

「ハキム・ジヤシュ」だ。

彼は壮絶な環境から這い上がった選手でもある。

モロッコからオランダに移住した両親のもと9人兄弟の末っ子として生まれた。家庭は貧しく、ジヤシュが10歳だった2003年には父親が多発性硬化症で死去。

母親は家族手当や失業手当で一家を支えるために奮闘したが、兄弟2人が窃盗と暴行で服役するはめに。ジヤシュは一家の希望の星だったが、彼も父の死で精神的に荒んでしまう。

勉学で躓くと、12歳でサッカーも止めてしまい、ドラッグやアルコールにおぼれて、人生は破滅寸前に陥る。だが、当時のコーチのおかげで、薬物中毒から抜け出すことができた。

そんな彼はモロッコ代表での報酬を一度も受け取っておらず、全てをチームスタッフやモロッコの貧しい家庭に寄付しているそう。