史上初の中東開催となるカタールワールドカップの開幕が迫ってきた。
そうしたなか、『POLITICOEurope』が気になるニュースを伝えている。
EUの個人情報保護当局は、カタールW杯のアプリをダウンロードしないように警告したという。欧州の各国当局はアプリには相当なプライバシーリスクがあると警鐘を鳴らしている。
ドイツ当局は「アプリのひとつは、どの電話番号でかけたのかについてのデータを収集している。別のアプリは、インストールされた端末がスリープモードになることを積極的に阻止する。また、アプリが使用するデータはデバイスのローカルに残るだけでなく、中央サーバーにも送信される」と指摘。どうしてもアプリのDLが必要な場合には、データが入っていない別の携帯電話にするように推奨している。
そのほか、フランスやノルウェーの当局もすでに同様の警告を出している。
フランス当局は、ファンたちに対して、写真やビデオには“特別な注意”をするよう警告。さらに、アプリのインストールは出発直前にして、帰国直後にアンインストールするよう推奨している。
フランスはカタールと密接な関係にあるが、「フランスでは一般データ保護規則のおかげで、全アプリケーションが個人の基本的権利とデータ保護を保証する必要がある。カタールはそうではない」という忠告も繰り返している。
また、ノルウェー当局は、「カタールへの渡航者、特に脆弱な人達がカタール当局に監視される可能性が高い」と警告。
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カタールを訪れる外国人はW杯公式アプリ「Hayya」のDL、医療施設を訪れる人には感染症追跡アプリ「Ehteraz」のDLを求められる。
どちらのアプリも、カタール当局がデータに広くアクセスし、コンテンツの読み取り、削除、変更、さらには直接電話をかける権限を与えることから、専門家からは「スパイウェア」のレッテルを貼られているそう。
カタール政府、アプリを販売しているグーグルとアップルも、この件へのコメントの要請にすぐに応じなかったとのこと。
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