【U-17W杯】「メキシコに負けた試合は今も鮮明に覚えている」

2019年にブラジルで開催されたU-17ワールドカップ、日本は初戦で欧州王者のオランダを3-0と一蹴。その後もアメリカとのスコアレスドローを経て、セネガルを1-0で下した。グループステージを2勝1分の首位、大会唯一の無失点で勝ち上がった。

森山佳郎監督(現U-16日本代表監督)が率いた当時のU-17日本代表は、攻撃ではポゼッションとカウンター、守備は前線からのハイプレスや中盤でのミドルプレス、自陣に引くリトリートを全て高いレベルで備えていた。ジャンケンのグー・チョキ・パーを揃え、それらを「相手を見て」使い分けられる大人なチームだった。

快調な戦いぶりからU-17年代で史上最高のベスト8超えが期待されたが、一転して決勝トーナメント1回戦ではメキシコを相手に0-2で敗戦。鈴木海音自身もCBとして全4試合にフルタイム出場したが、ベスト16で大会を後にした。

「サッカーの戦術的な部分もそうですし、選手のキャラクターの部分でもバランスが良く、笑顔が絶えない良い雰囲気のチームでした。それだけに敗退が決まった時には、歯がゆさも残った大会です」

――ラウンド16のメキシコ戦、相手は格上、それ以上に確固たるスタイルを持っているチーム。それが露骨に守備を固めて引いて来ました。

「正直、メキシコに自分達がリスペクトされたのはビックリしました。でも、自分たちの前線にスピードがある強烈なFW(※若月大和、湘南ベルマーレ)がいたので、前線のスペースを消す選択は当然なのかなとも思います。試合中は『前にスペースがないなら、後ろで作って行こう』と話していたんですが、相手の戦略通りにやられてしまいました」

――メキシコ戦はCBコンビを組んでいた主将のDF半田陸選手(モンテディオ山形)が欠場し、海音選手がキャプテンマークを巻きました。

「陸の存在が大きかったのは事実ですけど、1人抜けたから崩れるようではダメです。だからこそ、あのメキシコ戦に懸ける思いは強かったんです。あの悔しさは今も鮮明に覚えています。でも、あの借りは国際舞台でしか返せないので、今も心にとめて頑張っています」

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