先日、パリ・サンジェルマンに所属しているセネガル代表MFイドリサ・グエイが「クラブのスペシャルユニフォームの着用を拒否した」と話題になった。
その特別なユニフォームは背番号のマーキングが虹色になったもの。LGBTQ+コミュニティへの連帯を示すもので、性的マイノリティへの差別に反対する意思が込められていた。
【動画】虹色のナンバーを付けたパリ・サンジェルマンのユニフォーム
しかしながら、敬虔なイスラム教徒であるイドリサ・グエイは、教義に反する意思を示すことを拒否し、試合に出場しなかったという。
フランスサッカー協会はその報道を受けてイドリサ・グエイに対し「きちんと説明をするように」というレターを送ったとも言われており、それらを強制することが正しいのかどうかが改めて議論になっている。
今回『Daily Mail』のコラムニストであるマーティン・サミュエル氏は以下のように書き、タイトルには「思想の強制は新しい植民地主義だ」とつけていた。
マーティン・サミュエル
「これは常に起こりそうなことだった。虹色のナンバー、虹色のユニフォーム、虹色のキャンペーン。どこかの時点で、世界中の誰もが我々と同じように考えているわけではないというのを認めるべきだった。
むしろ、このようなことがもっと早く起こらなかったことは驚きだ。選手がコンセンサスとの協力を公に拒否するということが。
グエイは人口の97%以上がイスラム教徒であるセネガルの出身だ。そしてセネガルの住民の97%が、同性愛を生き方として許容できないと考えていた。それは2007年の調査だが、それ以来大きく変わっている可能性は低い。
そしてセネガルの大統領は『私の権限の下で同性愛が合法化されることはない』と宣言している。その国では5年から10年の懲役刑が言い渡される罪だ。
それに同意するかどうかは関係ない。私は同性愛を罪とすることに同意しないが、一方でグエイは同性愛をあからさまに批判したことは一度もない。PSGのポチェッティーノ監督は「グエイは個人的な理由で出場しなかった」としか説明していない。
フランスサッカー協会は「この活動への参加を拒否することにより、差別的な行動を認め、他者を拒否することになるおそれがある」と言うが、ますます多くのムスリムの選手がこれに反対したらどうなるか。
彼らが「この指示は我々の宗教への攻撃である」と解釈し、もし文化的な戦争の新たなフロンティアになったらどうなるか。
西洋の軍隊は世界中をめぐり、地球のあらゆる地域が我々と同じような考えを持つように、我々の利益を最優先にするように働きかけている。
そして、特に金銭が絡んでいる場合には、西洋はどこにも劣らない熱心な布教活動を行う。しかしそのような行為や大義名分を誰もが信じなければならないという考え方は、必ずどこかで批判を浴びることになるはずだ」