今季、天皇杯でサンフレッチェ広島を相手に5-1と衝撃的な勝利を収めたおこしやす京都AC。
今季こそJFL昇格という目標達成を狙うチームは、9月12日に行われたASラランジャ京都との試合に勝利し、関西サッカーリーグ1部優勝を決めた。
JFL昇格の権利を争う地域サッカーチャンピオンズリーグの開幕を2ヶ月後に控えた9月末、ファンに衝撃を与える発表があった。
引退!
この度私事ではございますが、
今シーズンをもちまして
現役を引退する決断をしましたのでご報告をさせていただきます。
今日14回忌の母に丈夫に産んでくれてありがとう!これからも家族を幸せにするために頑張っていきます。
決意!想いが母に届け‼️ pic.twitter.com/6W6d1SV4V5
— 原一樹 (@kazuki_hara10) September 29, 2021
清水エスパルスや浦和レッズ、京都サンガFCなどでプレーしたことで知られるFW原一樹選手が、来季JFLで戦うことができる可能性を残しながら今季限りでの現役引退を表明したのである。
その決断の理由はなんだったのか。おこしやす京都ACの練習を訪れ、原一樹に直接伺うことにした。(取材日:10月13日)
――お疲れ様でした…というと早いですね。
そうですね。まだあと最大7試合残っています。有終の美で終われるかの大勝負だと思うので、頑張りたいです。
――引退に至った決断の理由は?
今年の初めの時点でも少し悩んでいたんです。
今までサッカーに取り組んできた日常との違いに戸惑いがあり、自分が『妥協していると思ってしまう』ところがありました。この時間にご飯を食べられなかった、この時間にお風呂に入ってストレッチしなかった、とか…。
他の仕事ができたことで、決めていたルーティンをこなせないことが『自分への妥協』なんじゃないか。じゃあ睡眠を削ってストレッチするか…いや、睡眠は大事だな…とか。
そのコントロールができなくなっていたので、サッカーに取り組んできた姿勢と思いがバラバラになっていたんです。そこが大きく影響した決断だったのかなと思います。
クラブには感謝しかありません。サッカーをしながら仕事を学べましたし、社会と接点を持てたことでとても勉強になりました。地域と密着できることによって得られる快感もありました。
――いろんなクラブがメッセージを出されていましたね。
ありがたいですね。オフィシャルで「コメントを出させていただいてもいいですか」と言ってもらえることに感謝しかないです。退団してから何年も経ったチームが連絡をくれたことが本当に嬉しいです。
SNSでもたくさんコメントを戴きました。一生懸命サッカーをしていただけなんですが、僕を見ることで受験を頑張れた、学校を頑張れた、という話を聞くと、知らないところで自分のパワーがその人の力になっているんだなと。
14年ですからね。お父さんに連れて行かれて…という方はもうハタチ超えて成人です。そんな方に「今でも1番好きなJリーガーです」とか言ってもらえると、「他にもいっぱいJリーガーはいるのに…」と驚きと感謝しかないです。