これまでの調査では、「降格やダービーマッチでの辛い敗戦などの悲しい経験の共有が他のサポーターグループとの絆に結びつく」ことが示唆されているという。

優勝などの幸福感に満ちた出来事もグループの結びつきを強化しうるものの、人々に本当に残るのは悲しい出来事のほうだそう。

また、弱いチームのファンたちの並外れた忠誠心を説明するもうひとつの側面は、認知的不協和理論だとか。

人間は自分の信念や価値観と矛盾する行動をとると強いストレスを感じる。

長く苦戦しているチームを応援しているファンたちに「なぜ自分はこんな経験をしているのか?」という問いをした場合、「このクラブが大好きだから」という回答になる可能性が高い。これが勝利によって報われることのないクラブに多大な時間や金を費やすことへの食い違い(不協和)を減退させるものかもしれないという。

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ただ、不協和が発生するためには、ファンたちがそのグループのために苦しむことが自発的であると認識される必要がある。

理論上はファンたちはいつでもサッカーの応援を止めることができる。だが、現実には多くのファンたちは親や友人など現存する関係性を通じてファンになる。

これによって、断ち切ることが困難かつ複雑で永続的なネットワークにつながる可能性があるとのこと。

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