現在世界で最も裕福なコンペティションと言われているイングランド・プレミアリーグ。
各チームの広告的価値も高まっており、ユニフォームのスポンサーになるための契約額もうなぎのぼりとなっている。
そのスポンサーとして大きな割合を占めているのが賭博会社だ。
特にオンラインでのスポーツベッティングを展開しているサービスは数多い。イングランドの1~2部に所属する44クラブのうち27クラブが賭博会社と契約中。スポンサーシップ収益の総額はおよそ3億4900万ポンド(およそ507.9億円)だが、そのうち6900万ポンド(およそ100.4億円)が賭博関係の企業である。
ウェストハムは『Betway』から年間1000万ポンド(およそ14.6億円)、ウォルヴァーハンプトンは『ManbetX』から年間800万ポンド(およそ11.6億円)を手にしている。
先日2部に所属しているダービー・カウンティにウェイン・ルーニーがコーチ兼選手として加入したが、その給与を大部分肩代わりしているのがオンラインベッティングサイトの『32Red』だとも。
初練習の模様がこちら。その胸に輝く『32Red』の文字が分かる。ルーニーはかつてギャンブル依存症にかかっていたことがある選手なのだが…。
今回『Mirror』が伝えたところによれば、イギリスではそのギャンブル依存症への懸念から現在賭博会社に対しての圧力が高まっているという。
そして賭博会社はそれに対応して自発的に広告の掲載を減少させるというプランを検討しているという。
事実昨年大手会社のPaddy Powerが自粛を決定しており、サッカーにおいて賭博に関する広告を禁止して欲しいという声に応えていた。
イギリスでは成人の43万人にギャンブル依存症の疑いがあるという調査結果が発表されている。
また、プロ選手にはサッカーの試合に関するギャンブルが厳しく禁止されている一方、スポンサーとしては認められているという点が「偽善的だ」という批判も。
あのジョーイ・バートン氏も、自身がギャンブルに関わったことによって長期の出場停止を受けた際、このような厳しい指摘をしていた。
もしイングランドで賭博会社がサッカーのスポンサーシップを取り下げることになれば、リーグ自体の経済力を下げる可能性も…。