――ということは、Jリーグ以降もその後もサッカーを追いかけていたんですね。
はい。その後もヨーロッパサッカーを中心に追いかけていました。また、ファッションの世界で仕事をしていても何故かサッカーと紐づいているんです。
8年くらい前にモンクレール Wというブランドをやって、そこの社長がインテルのサポーターでそれで生で初めてサンシーロで試合を見て。
次にオイルドコートで有名な英国のバブアーのデザイナー(ビーコン ヘリテージ レンジ バイ ホワイトマウンテニアリング(Beacon Heritage Range by White Mountaineering)」)を次にやったとき、今度はニューカッスルの試合を見て、と。
――その地域地域でサッカーを見てらしたんですね。
例えば、ニューカッスルでいうとセントジェームズパークって6万人ぐらいはいるじゃないですか?
30万人都市なので6万人はいっちゃう。チケットを買えずにパブで見ている人を含めたら何人いるんだろうか、と。そういうのを見ているとニューカッスルという町がサッカーと一緒に回っているなぁと。
バブアーの人は自分がサンダーランドやミドルズブラのサポーターで「興味ないから」とニューカッスルの試合は見ないのに自分をスタジアムに送迎してくれる。
で、次の日にサンダーランドのスタジアムの方がカッコいいから、と連れて行ってくれる。そういうのって日本じゃないですよね。
ロンドンでもプレミアリーグだと私はトッテナムのファンなのですが、アーセナルが好きなやつとかはいっつも自分に文句をいってくるし(笑)、チェルシーとフルアムのスタジアムなんて近所にあるのに全く雰囲気が違う。
サッカーによって見えない区画分けがされている。そういう街の成り立ち、ファッション、サッカーの関係性が好きですね。
――「ファッション」とサッカーの関係性はどんな感じなのでしょうか?
僕ら日本のブランドはヨーロッパで売るときにはサッカーの代理人のように代理店と契約をします。
そこのオーナーもインテルが大好きだったり、サッカーの話で盛り上がります。ヒデさんの活躍があって盛り上がる土壌がもうあって、当時は長友選手が移籍したばかりで。
戦術はあまりわからないのですが、ファッション目線でサッカーを見始めたんです。マンチーニが監督になってスタイリッシュなイタリア人特有の恰好でピッチに立っている。だけど、クロップはジャージーだとか。
ヨーロッパでは『GQ』のようなファッション誌がそのシーズン、活躍したサッカー選手を表紙に起用したりします。サッカー選手というものが、1つのファッション文化に直結しているな、と。