先日ブラジルの女子リーグでフラメンゴが56-0というスコアで勝利を収めたことで大きな話題になった。
しかし今回イタリアでは「勝ったことで監督を解任した」という珍しい出来事があったようだ。
事件があったのはイタリアのU-18のコンペティションで、インヴィクタサウロというチームが27-0で勝利した。その直後に監督が解任されたのだが、負けた側ではなく、それは勝ったインヴィクタサウロのほうだったのだ。
『sportbible』によれば、インヴィクタサウロの会長パオロ・ブロジェッリは以下のように声明を発表したという。
インヴィクタサウロ会長
「驚いたし、強く後悔している。我々のジュニアチームがマリーナ(対戦相手)に27-0で勝利したと聞いて。
ユースチームの価値は、これとは全く正反対だ。対戦相手を常に尊重し、このようなことを起こすべきではない。
会長として、私はマリーナに真摯に謝罪する。そして我々のディレクターが満場一致でリッキーニ監督の解任を決めたことを発表する。
我々の監督は若い選手を練習させる義務がある。しかし同時に教育もせねばならない。このようなことをしないようにだ」
『ESPN』によれば、マリーナは怪我人の続出によってメンバーが足りなくなっていたとのことで、「リスペクトに欠ける」と苦情を言っていたそう。
ただ、インヴィクタサウロの監督を解任されたマッシミリアーノ・リッキーニ氏は以下のように話し、むしろ手を抜くほうが教育に悪いと訴えたという。
マッシミリアーノ・リッキーニ
「インヴィクタサウロの誰も、相手をあざ笑ったり、屈辱を味わわせようとはしていない。
我々は排他的な意識や悪意を持ってプレーしてはいない。ファウルもほとんど犯さなかった。
子どもたちは十分に状況を理解していた。27ゴールは尊重の欠如ではない。80分間本気で戦い続けるか、相手にゴールを与えるかの違いだ。
真の敗北とは、事実に対する知識なしに偽善や陳腐さ、そして貧しい心を見せることだ」
はたしてどちらが正しいと言えるのか…哲学的な問題である。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ