いきなりであるが、ボリビアは「バカ」が多い国である。

かつてはホセリト・バカという小柄なゲームメイカーがボリビア代表の「10番」を背負ったが、このほど、日本代表と対戦するため来日したメンバーにもMFラミロ・バカ、FWレオナルド・バカ、ヘンリー・バカと、バカという姓を持つ3名の選手がいる。

『Names List』という名前の由来などを調べるサイトによると、世界には約136,350人のバカ(Vaca)姓がいる。その多くがボリビアに集中しており、『Forebears』によればその数は約58,000人に及ぶのだという。

その由来は?

スペイン語のバカ(Vaca)は単に「牛」を意味するが、幾つかの情報を調べると、この姓はスペイン南部のグラナダにルーツがあるという。

そして、この姓を持つ最初の有名な人物がスペインのアンダルシア出身で、「最初の人類学的著者」などとして知られるアルバル・ヌニェス・カベサ・デ・バカ(1490??~1559??)である。

カベサ・デ・バカは「牛の頭」を意味するが、その名前の由来はイスラム教徒がヨーロッパを支配し、キリスト教徒がそれを取り返そうと決起した国土回復運動=レコンキスタ(718~1492)の時代にまで遡る。

以下はカベサ・デ・バカのWikipediaから抜粋。

「この姓名は13世紀に、彼の祖先が牛の頭を残して、山脈を通り抜ける秘密の道を示すことで、ムーア人を攻撃するキリスト教徒の軍を助けたことにより、彼の家族に与えられたものである。」

要約すると、彼の祖先が「牛の頭」を使ってキリスト教徒を助けたことからこの名前が与えられたというわけだ。

カベサ・デ・バカは探検家、一等航海士でもあった。レコンキスタが終わり、多くのスペイン人が大海原へと飛び出した大航海時代に彼もまたアメリカ大陸へ渡って南下し、一説によればイグアスの滝をその目で見た最初のヨーロッパ人とも言われている。

ご存知の通りこの時代に南米はスペイン人によって次々に征服され、植民地になった。それによって、バカの名前がアメリカ大陸に広まったものと思われる。

ただなぜボリビアに集中しているのかは、今回の調査では分からなかった。単にボリビアという国が貧しく、牛や牛飼いのような職業の人たちが多かったという可能性もあるが…(専門家の皆さん、お願いします)。

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いずれにせよ、われわれ日本人にとってはちょっとおかしな名前であるが、誰しもがそうであるようにそこには幾多の歴史があったというわけだ。