岩政
僕はロベルト・バッジョ(ユヴェントスなど名門クラブで活躍した元イタリア代表FWで、近代サッカー史に残る名ファンタジスタの一人)ですね。上手さはもちろんのことなんですが、あの生き方そのものに憧れました。

94年W杯では、予選で監督にメンバーから外されたり、怪我を抱えたりの中で本大会に挑み、決勝ラウンド一回戦の試合終了間際にようやくゴールを入れて、延長戦では決勝点。そこからも満身創痍で立ち向かっていったという、あの姿勢が本当に格好良くて、その後も順風満帆ではなかったんですよね。

度重なる怪我や監督との確執もある中、バッジョはその度に這い上がってくるんですよ。当時彼を好きだった人間の多くが、あの生き方に憧れを持っていたんじゃないでしょうか。

━━ビッグクラブに所属しても多くの不遇を経験した選手ですからね。

岩政
そうなんです。それも含めてドラマティックな選手でした。ファンタジスタが生き場を失う時代の流れの中、本当に彼は絶滅危惧種でしたし。

そして、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシのように完璧じゃないところもいい(笑)

体もひ弱な選手でしたし、ボロボロの膝を抱えながらも戦う姿がたまらなかったですね。

━━サッカーをやっている子供であれば、憧れの選手は誰かしらいると思いますが、そのように憧れの選手を持つことはどうでしょう?

能登
一人に偏るのではなく、色々な選手を見ることのほうが意味はあると思いますね。

後、子供の頃はそこまで周りと比較しないほうがいいんじゃないかな。「誰々がナショナルトレセンに行っている」とか、そういうことは気にしなくていい。

━━なるほど…これはサッカーをしている子供がいらっしゃる親御さんに是非読んで欲しい考えですね。

能登
自分も全く気にしないタイプでしたが、結局、人と自分は違うわけで、そういう周りのことを考えないようにしたほうが伸び率みたいなものも上がると思います。