■群雄割拠のJ2で戦い抜くために

クラブ初となるJ2昇格を決めた琉球。その魅力的なパスサッカーをJ2でも貫き、旋風を巻き起こす姿に大いに期待したいところだ。

ただ、J2はチーム間の実力差がさほど無く、少しでも不振に陥ると一気に順位を落としてしまう。今季も戦力的には上位でおかしくないアルビレックス新潟やジェフユナイテッド千葉、京都サンガが下位に沈んでいるくらいなのだ。独走でJ3を制した琉球とはいえ、J2の洗礼を浴びる可能性はあるだろう。

では、J2の波に飲まれず、旋風を巻き起こすには――。まず重要となってくるのは、主力の流出阻止だ。

来季はライバルとなるJ2クラブからの引き抜きを何がなんでも避け、加えて百戦錬磨のベテラン(現スカッドで言えば播戸竜二)を獲得できれば、これ以上ない。特にJ2での戦いを知り尽くすベテランを獲得できれば、J2での航海も安心だ。

更に、アイデンティティであるパスサッカーをワンランク上の舞台でも貫けるかが肝要となってくる。J3では大半の試合で主導権を握り、攻撃的に振る舞うことができていたし、それが自分たちのスタイルとなっていたからだ。

現在のJ2を見ると、大分トリニータやレノファ山口、FC岐阜などポゼッションを軸とするチームもあるものの、基本的にはカウンターを主体とするチームの方が多い。よって、パスサッカーを貫くことは十分可能だと言える。その反面、カウンターで失点するリスクも高まるだけに、リスクマネジメントの徹底が大事となる。

パスサッカーを貫きつつ、戦術的な完成度をこれまで以上に高める。序盤の数試合でJ2のスピードに慣れ、ここをクリアできれば、想像以上の旋風を巻き起こしても驚きはない。

2018/11/4 written by ロッシ

【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ

大谷翔平より稼ぐ5人のサッカー選手