リアルタイム分析がもたらす未来

今回のワールドカップにおけるタブレット端末の解禁はサッカーに変革をもたらす、ゲームチェンジャーではないという印象を持った人が多かったかもしれません。

しかし、ワールドカップを終えてみると、今シーズンからUEFAもチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグでタブレット端末の持ち込みを許可し始めたのです。

さらに日本でもEPTSシステム(トラッキングシステムとそれらのコミュニケーション技術の総称)の導入が許可され、スポーツは徐々に情報技術を取り入れ始めていました。

EPTS?なにそれって思った方はFIFAの説明画像を日本語訳したので参考にしてください!

では、これからリアルタイム分析がもたらすサッカーの未来はどうなっていくのでしょうか。

一つ確実に言えるのは、すぐに分析結果が戦術に活用されるわけではないということです。

現存している技術ではリアルタイムでのサッカーの戦術的な評価はまだ難しく、経験のある監督やスカウトには敵いません。どうしてもデータの取得、整理、分析に時間がかかってしまうため、試合中でのフィードバックが間に合わないのです。ちなみに僕が所属する筑波大学蹴球部では、試合後の振り返りのためにスタッツを取って分析しています。

少々残念に感じる人がいるとも思いますが、リアルタイム分析が真価を発揮するのは選手の身体負荷の調整です。ずばり、ケガの予防で大活躍します。

海外でプレーする年俸数億円の有名選手は1週間プレーしないだけでチームにとって大きな損失になりかねません。

コストであるケガを削減するところからスタートして、そのあとに選手の適切なパフォーマンス評価や選手交代・戦術変更の合図となる指標が開発され普及していくという流れが僕の予想です。

ただし、いくらデータ分析やIT化等々がサッカーに進出してきても、サッカーの本質である「人間と人間の戦い」は失われません。データによって得られる新しい知見や楽しみ方はサッカーをより面白く、エキサイティングにするものだと考えています。

これからサッカー×データに関する記事を書いていきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします!

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