いよいよ日本代表のグループリーグ初戦、対コロンビア戦の火ぶたが切られる。

最後の強化試合となるパラグアイ戦では、スイス戦で出場機会が少なかった選手を起用し、4-2で勝利。

西野体制では初となるゴールを上げただけではなく、攻守両面においてガーナやスイスとの試合では見られなかった積極性や連動性が感じられたシーンも多く、サッカーファンは幾何かの期待も感じたのではないだろうか。

とは言え、強化試合はあくまでも強化試合だ。

日本が対峙するコロンビアは明らかにパラグアイを凌ぐ強豪。今回の勝利だけで楽観的になるのは危険だろう。

さて、前回は「初心者でもこれをみればOK!」というテーマで、コロンビア代表の特徴をカレン氏に分析してしてもらった。

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まだ確認されていない方は一度そちらをご覧の上、今稿を読んで頂くのが良いだろう。

Qoly(以下、――):前回は攻撃面における「コロンビア代表の特徴」を取り上げ、「ハメス・システム」についても触れてもらいました。さらに、より具体的に「対コロンビア」という視点で話を進められればと思いますが、その前に守備面の特徴も簡単にお願いします。

カレン(以下、省略):わかりました。

まず、コロンビアの守備の考え方についてですが、「前から奪う時」と「(ボールホルダーは見つつ)ブロックを敷く時」をきっちりと使い分けるようにしています。「きっちり」という表現を使ったのは、どっちつかずの守備ではなく、チーム全体でその使い分けが正確に出来ているという意味も込めています。

ですが、前線から守備に行くような時間帯はそれほど多くないと思います。

あるとすれば、ビハインド時であったり、早めに勝負をつけるゲームプランを選択した時でしょうか。

前者であれば、例えば、フランスとの強化試合では、ビハインドを喫していた時間帯に見られ、そこから何度か決定機を作りました。後者であれば、チーム力に大きな差が感じられる場合ですが、ワールドカップ本大会ではあまりないでしょう。

――となると、日本戦でもコロンビアは「まずはブロックを敷く」を選択する可能性が高いと。

そのプランを立てる可能性のほうが高いかと思います。

最低、ボールホルダーに対して、ファーストディフェンダーはしっかりいくという類の約束は守らせるかもしれません。ですが、「相手GKやCBに対しても積極的にボールを狩りに行く」というプランは考えにくいでしょう。

それも前回触れた「ハメス・システム」に関連してきます。

コロンビアは、攻撃時におけるハメス・ロドリゲスへの依存度が高く、彼には「カウンター時にもボールを引き出す」という大事な役があります。

そのため、力を温存する意味で、守備時での彼の負担は最小限度にしています。これはワントップで起用されるファルカオも同様ですね。

いわゆる「攻め残り」というもので、相手ボールよりも低い位置に下がらず、そのまま前線に残ることが多々あります。

その場合は「DF4人+MF4人」の8人の守備ブロックを形成するイメージですね。

また、ハメスは前回にも話したように左サイドに張ったり、ハーフスペース(サイドと中央の間)に動くことも多い選手です。

仮にそこでボールを奪われた場合ですが、彼は中央のポジションに戻らず、そのまま左の位置を取り、代わりに左サイドの選手が中央へ絞るケースは度々見られます。ボランチの二人と連携した、3ボランチ気味の並びですね。

このメカニズムは、チーム戦術なのか個人戦術なのかはわかりません。

ですが、このようなポジションチェンジを見る限り、守備の連動性は比較的高いチームであると言えます。