「継続」か「断念」か
このような「まずい状況」は上述だけではなく、前半7分にもあった。
前からの守備を仕掛けるが、その他が全く連動せず、「ただ徒労に終わる」という最悪の展開だ。
ファビアン・シェア(赤の22番)が攻撃を組み立てようとした際に大迫勇也がチェイシングを行うと、シェアはこれを嫌い、ボールをマヌエル・アカンジ(赤の5番)へ。
さらに、そのアカンジに対して本田が詰めるが、アカンジはDFラインに落ちてきたボランチのジャカに展開してプレッシャーを回避。
つまり、本田の追い込みにより、「二本目の矢」までは打てたのが、この動きに対してその他の選手が呼応がなく、スイスに全くダメージを与えられなかった格好だ。その止めには「三本目の矢」が必要不可欠だったのが、それを打てず仕舞いに終わったわけである。
結局、ジャカは、余裕をもってボールを持ち運び、右サイドに構えていた「崩しのキーマン」であるシェルダン・シャキリ(赤の23番)にロングパス。
最終的にはこれもゴールこそ至らなかったが、日本代表にとっては「エースに敵陣深くまで切り込まれる」というピンチの一歩手前であった。
はたして、パラグアイ戦でこの日本代表の「拙いプレッシング」に改善が見られるのだろうか。
ここまでの惨状を見て、前からのプレッシングを封印し、ボール奪取エリアを引く位置に専念するという可能性はもちろんあるだろう。いらゆる「ベタ引き」からのロングカウンターに主眼を置く方法だ。
だが、このままの戦い方を続けるのであれば、チームとして改善することは不可避。
パラグアイ戦では「前からの守備を続けるのか」「連動したプレッシングを見せられるか」、「高い位置からボールを奪って攻撃に繋げられるか」に注目してみてはどうだろうか。
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