『L'Equipe』は16日、「欧州サッカー連盟(UEFA)は、来季からファイナンシャル・フェアプレー制度(FFP)を強化する予定だ」と報じた。
7年前に発効されたFFPは、欧州のリーグに所属している各クラブの経営を監視し、収入と支出のバランスをとるためのもの。
2009年の段階では全クラブの債務が累計17億ユーロ(およそ2219.2億円)という状態であったが、最新の集計では2億6900万ユーロ(およそ351.2億円)まで減少した。
一定の効果を表しているFFPを、UEFAはさらに強化していく方針であるそうだ。
5月24日に採択される予定の強化案では、5つの分野に変更があるという。
・選手の売買による赤字が1億ユーロを超えた際、財務保証義務が発生する
・同じ株主が所有しているクラブ同士の選手取引における監視強化
・財務の年次報告を義務化
・取引に関与した代理人の名前、支払った手数料の報告義務化
・UEFAによる債務の直接監視を可能にする
同じ株主が所有しているクラブとは、例えばシティ・グループであればマンチェスター・シティ、ニューヨーク・シティ、メルボルン・シティのほか、ジローナや横浜F・マリノスなど資本参加しているチームも含まれる。
これは、ポッツォ・ファミリーが所有しているウディネーゼ、ワトフォード、そしてグラナダ(現在は手放している)の3クラブ間で行われた選手の取引で不正が行われていたという疑惑を受けてのものと考えられる。
現在インテルやローマ、ミラン、PSGなどがFFPの監視対象になっているといわれており、支出が収入を上回っているクラブにとっては厳しいルールとなりそうだ。