(コーチングを続けるのか、フロントに行くのか)
「正直に言えば、君にはあまり話したくない。6ヶ月後に『ウソツキ』と言われたくないからね。
今後明確にしていくよ。この状況にどう反応するのか、自分でもよくわからない」
(退任を表明して楽になった?)
「私は疲れてはいないんだ。個人的には、このクラブは世界中でリスペクトされていると信じているよ。イングランドよりも、世界でね。
我々のファンは、団結のイメージを与えてはくれなくなっていた。私が世界中から求めているものを。それが苦痛だった。
このクラブはリスペクトされていると感じている。我々がクラブから与えられるイメージとは異なっていた。私が好むものでもなかった」
(団結とは…)
「これ以上何も言うことはないよ。私はこのクラブが素晴らしいイメージを持っていると感じているし、それが肝心なものだ。
我々はいくらでも話すことはできる。しかしスポーツは勝ち負けがあり、敗北をも受け入れなければならない。それが勝敗よりも重要だ。私にとっては、それが常に心配だった。
アーセナルがどんなクラブかを知ってもらう。アフリカの、中国の、アメリカの、世界中の子供達に。サッカーをしたいと思う人を作っていく。それが我々のクラブが持っている責任だ」
(ファンがクラブを傷つけていた?)
「怒ってはいないよ。そして、愚かな見出しを付けられたくもない。
私はファンに対しても怒ってはいない。ただ、私の個性はクラブについて考えることだと感じているし、それは自分よりも重要なものだ。
それが私の言いたいことだ。ファンについてはなにもないよ。
ファンは満足していなかった。ただ、それが私の仕事であるし、そのようなものとともに生きなければならない。そして、私はこれを受け入れられる。
それがクラブのダメージになったかどうかはわからないが、私が感じているものとは違っていた。
試合には多くのお金が動いているが、クラブのイメージはお金より、結果よりも重要だ」
なぜ退任するのか…ヴェンゲル監督、ファンの雰囲気が理由だった
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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