8日、13年間在籍した横浜F・マリノスを退団し、ジュビロ磐田に移籍することが発表された中村俊輔。
【速報】中村俊輔のジュビロ磐田移籍が決定 https://t.co/0CUwlN1UA4
— Qoly(コリー) (@Qoly_Live) 2017年1月8日
中村は1997年に桐光学園から当時の横浜マリノスへ加入したが、トップスターへ上り詰めるのに時間はかからなかった。
すぐにその圧倒的なテクニックと独創性に富んだプレーは日本の10番、そして、当時の潮流であった“ファンタジスタ”の象徴的な存在となり、イタリアへ移籍した際には「東洋のバッジョ」と形容されたほどだ。
なかでも彼を有名にしたのが、その左足でのフリーキックだろう。独特のフォームから繰り出されるこすりあげるようなキックは、鋭い回転がかかり正確無比に枠内を捉えた。
世界の舞台でもCLマンチェスター・ユナイテッド戦での得点など数々の伝説を残し、今日ではジュニーニョ・ペルナンブカーノ、デイヴィッド・ベッカムらと並んで近代サッカー史に残るフリーキッカーと認知されている。
Jリーグは昨年6月、38歳の誕生日を迎えた中村を祝福し、彼がリーグ戦でフリーキックによって決めた全ゴール動画を公開した。
本日6月24日は、中村 俊輔選手 38歳のお誕生日!
フリーキックの名手、中村選手がこれまでにリーグ戦で決めたフリーキック全22ゴールをプレイバック!https://t.co/nTvJGLQCGa #Jリーグhttps://t.co/rzAU8AvR7B
— Jリーグ (@J_League) 2016年6月24日
彼がJリーグで決めたフリーキックは22本。もちろん全てマリノスでのものだ(内訳は以下の通り)。
#1. 1997年5月3日 1997Jリーグディビジョン1 1stステージ第6節 vsベルマーレ平塚
#2. 1998年9月19日 1998Jリーグディビジョン1 2ndステージ第6節 vsセレッソ大阪
#3. 1998年9月26日 1998Jリーグディビジョン1 2ndステージ第8節 vsアビスパ福岡
#4. 1998年11月14日 1998Jリーグディビジョン1 2ndステージ第17節 vsベルマーレ平塚
#5. 1999年4月24日 1999Jリーグディビジョン1 1stステージ第8節 vs鹿島アントラーズ
#6. 2000年11月11日 2000Jリーグディビジョン1 2ndステージ第12節 vsジェフユナイテッド市原
#7. 2001年11月17日 2001Jリーグディビジョン1 2ndステージ第14節 vsガンバ大阪
#8. 2002年3月9日 2002Jリーグディビジョン1 1stステージ第2節 vsサンフレッチェ広島
#9. 2002年4月13日 2002Jリーグディビジョン1 1stステージ第6節 vsサンフレッチェ広島
#10. 2010年8月14日 2010Jリーグディビジョン1 第18節 vs清水エスパルス
#11. 2011年11月19日 2011Jリーグディビジョン1 第32節 vs名古屋グランパス
#12. 2012年10月17日 2012Jリーグディビジョン1 第30節 vs名古屋グランパス
#13. 2012年12月1日 2012Jリーグディビジョン1 第34節 vsサガン鳥栖
#14. 2013年3月2日 2013Jリーグディビジョン1 第1節 vs湘南ベルマーレ
#15. 2013年3月30日 2013Jリーグディビジョン1 第4節 vsFC東京
#16. 2013年4月27日 2013Jリーグディビジョン1 第8節 vsヴァンフォーレ甲府
#17. 2013年10月27日 2013Jリーグディビジョン1 第30節 vs大分トリニータ
#18. 2015年7月19日 2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第3節 vsガンバ大阪
#19. 2015年8月29日 2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第9節 vs浦和レッズ
#20. 2015年10月3日 2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第13節 vsベガルタ仙台
#21. 2016年3月6日 2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第2節 vsアビスパ福岡
#22. 2016年4月2日 2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第5節 vsガンバ大阪
この中にカップ戦や日本代表、海外で記録したゴールは含まれていない。それでもこれだけの数が揃っている事実にはただ驚かされる。
また、この一覧からは、年齢を重ねた近年になってペースが上がっていることが分かる。40歳を間近に控えもちろん体力的な衰えはあるだろうが、技術面では衰えるどころか名刀のごとくさらに磨きをかけているのである。
中村俊輔がマリノスを退団することにいちファンとして一抹の寂しさを覚えるが、現役を退くわけではない。“盟友”名波浩監督の下で一層の進化を遂げた“NEW俊輔”が見られることを願うばかりだ。