本日誕生日を迎えたフランチェスコ・トッティ、ローマの王子も40歳を迎えた。中田英寿と共にプレーしてからおよそ15年の月日がたち、同僚だったヴィンチェンツォ・モンテッラやエウゼビオ・ディ・フランチェスコらは今は監督として采配をふるっている。ちなみに、9月27日が誕生日の有名人にはアヴリル・ラヴィーン、サッカー選手でいえばグラニット・ジャカがいる。
トッティといえばこれ!クッキアイオ
さて、フランチェスコ・トッティと言えば1.5列目ないしは偽の9番として攻撃のタクトを振るう一方で得点も狙う印象が強いだろう。その中でも、特に印象深いのが「クッキアイオ(Cucchiaio)」だ。
イタリア語で「スプーン」を意味するこの言葉は、日本語に直すとチップキック、ループといったものになるだろうか。ゴールキーパーをあざ笑うように弧をえがかゴールマウスへ吸い込まれるボールの軌道をスプーンに例えたことを発祥とする。他には、アンドレア・ピルロらがこの使い手として知られている。
セリエAやイタリア代表で度々クッキアイオによるゴールをあげてきたトッティ。伝説的エピソードとしては、EURO2000の準決勝PK戦でオランダ代表GKエドウィン・ファン・デル・サールに対して決めた一撃があげられる。
この直前にファン・デル・サールを脅威と感じるチームメイトとのやり取りが以下だ。イタリア語と交えてお伝えしよう。
ディ・ビアージョ「なぁフランチェ、あいつ恐いよ(A Francé, io c'ho na paura)」
トッティ「はぁ、俺もだよ(もしくは誰に言っているの意味)、ファン・デル・サール大きくね?(Eh, a chi lo dici, ma hai visto quant'è grosso quello (riferendosi al portiere olandese Van der Sar ndr)?」
ディ・ビアージョ「あー、それって励ましのメッセージなの?(Ah, così m'incoraggi?)」
トッティ「気にすんなよ。今からクッキアイオ決めてくる(Nun te preoccupà, Mo' je faccio er cucchiaio)」
マルディーニ「お前頭おかしいぞ。今、EUROの準決勝にいるんだぞ(Ma che sei pazzo? siamo a una semifinale degli europei!)」
トッティ「まぁ、今からクッキアイオ決めてくるわ!(Se, se, je faccio er cucchiaio!)」
ディ・ビアージョやマルディーニに対して言った「今からクッキアイオ決めてくる(Mo' je faccio er cucchiaio)」というセリフは、後に自著のタイトルにもなった。
1992-93シーズンにデビューし、今年でプロ25シーズン目となったトッティ、今季は既にPKで2ゴールをあげており40代を迎えてもまだまだローマの王様!最後は“らしい言葉”で締めくくろう。(ちなみに、残念ながら今季の2ゴールはクッキアイオではない)
フランチェスコ・トッティ
(ローマFW)
「俺にとってローマで獲得した1度のスクデットのほうがユヴェントスやレアル・マドリーで10回優勝するより価値がある」