鹿島アントラーズの金崎夢生が石井監督と衝突した件が波紋を呼んでいる。ワールドカップ予選をめぐる代表メンバーから漏れたことから、続報が次々と報じられている。
これまでもルイス・スアレスの噛みつき、ジネディーヌ・ジダンの頭突きをはじめサッカー選手がキレれてしまったことは少なくない。では、どうすれば良いのだろうか?今回は“怒り”の専門家である一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事を務める安藤俊介氏に話を聞いた。
--そもそもアンガーマネジメントとは何なのでしょうか?
1970年代にアメリカで始まったものです。当初はDVや軽犯罪を犯した人を対象にしていました。時代の変遷とともに一般化していって、今は企業の研修や学校教育、アスリートのメンタルトレーニングなど多彩な分野で取り入れられています。
アメリカでは映画『アングリーバード』でもアンガーマネジメントを受けるというシーンが出てきますように、割と一般的です。例えば、子供達の情操教育の一環として取り入られていて、自分たちの感情をコントロールすることを勉強しています。
映画『アングリーバード』は日本でも公開予定、前園真聖が声優に初挑戦する。
アメリカでは、いい大人が感情をコントロールできないのは未成熟だよね、という文化があります。一方で、自己主張をする必要がある。自らをコントロールしながら自己主張をする、その中で広まったのだと思います。
--アンガーマネジメントを知ったきっかけは何でしょうか?
2003年に仕事でニューヨークに駐在したときに知りました。同年ソニー・ピクチャーズから公開された『アンガーマネジメント』というコメディー映画を見て、何だろう?と思ったのがきっかけです。
私は父親とあまり関係が良くなかったので改善したいなと思い、アンガーマネジメントを実際に受けたところ「これなら自分でもできる」と思い、その後、ナショナルアンガーマネジメント協会、アンダーソン&アンダーソン、MFTNY公認のアンガーマネジメントファシリテーターになりました。
2008年に帰国後に日本でもアンガーマネジメントを広めようと活動し、2011年に協会を設立し今に至ります。実際に今の日本だと企業の管理職研修に使っていただくことが多いです。
勘違いしてはいけないのが、「怒らない」のではないのです。怒る必要があるときには怒り、そうでないときは怒らないようにする。そのために、パワハラや人間関係の悪化を恐れて「怒れない」上司に良い叱り方を教えたりもしています。怒ることは人間関係を悪化させたり、相手をへこませることではありません。