私は「日本人だよ」と伝えたら、「部屋に入れよ!酒を飲もうぜ!」と引きずり込まれた。その中でビール瓶を渡されて「日本人は酒弱いだろ?」と揶揄われる。私はビール瓶を片手に、ラッパ飲みでビールを飲み干しスウェーデン人を驚愕させた。無言に包まれた部屋の中で、「まさか、お前らこれで終わりじゃないよな?」と私は挑発を仕返す。宴は最高潮になり、ビール呑み対決という形になった(結果は私が4本飲んで勝利)。「やるじゃないか日本人!」と酒を飲み、お互いの国の馬鹿みたいな話で盛り上がる。
そこで、彼らに「おい、日本人。日本ではスウェーデン人選手で愛されている選手はいるか?」と問われた。私はそこでズラタンやラーションなどと答えたが、「やっぱりね」といった感じに彼らはそこそこ盛り上がりつつも悲しい目をしていた。
そこで、機転を利かせて「トマス・ブロリン」と解答したら、「ブロリン?ブロリンを知っているのか!!?最高だよな!」と盛り上がりブロリンのチャントが歌われた。「なぜ、人気なのか?」と問い返したら、「ヒーローだからだ」とシンプルな解答が返ってくる。そういえば、スタジアムに行く道中もブロリンのチャントを歌っていたな、と思い返した。
彼は若干28歳で引退した天才選手であり、太っちょながらテクニックとスピードで一世風靡したスウェーデンのスター選手である。そんな彼はスウェーデン人から愛くるしいらしく、恐らく話を聞いた感じ具志堅用高やガッツ石松のような愛され方をしているのだと感じた。
そして宴が終わった後に、やり残した記事の執筆に取りかかった。暫くすると窓からノック音が響き、一番仲良くなったロビンが顔を出してきた。このホテルの最上階にスパがあるから、行こうぜ!と誘われた。スパには既に家具職人のダンイェルと自転車乗りのヤキがプールに浸かっていた。我々はプールの中で日本の熱湯風呂バラエティはいかれているとか、日本の酒を飲みたいと騒わいだ。翌日、早朝発でTGVがパリに向かって走るのにトゥールーズでオールナイトを楽しんだ。