18日、国際サッカー連盟(FIFA)は「新たな公式パートナーとして、中国のワンダ・グループと契約した」と公式発表した。
これは今後4回のワールドカップにおけるスポンサー契約が含まれており、金曜日にFIFA会長ジャンニ・インファンティーノ、ワンダグループ会長ワン・チャンリンの出席の下で調印された。
一昨年カストロール、コンチネンタル・タイヤ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、そしてソニーらの大型スポンサーと契約満了を迎えたFIFA。さらに昨年発覚した大規模な汚職事件によってスポンサー離れが進み、大きな収入減に繋がっていた。
しかしここで大きなスポンサーとして手を結ぶことになったのは中国企業。近年の世界経済の風潮を反映したともいえる契約となった。
ワンダ・グループ(大連万達)は中国の不動産系コングロマリットで、アトレティコ・マドリーの株式を所有していることでも知られている巨大企業である。
トップのワン・チャンリンは資産290億ドルとも言われる中国一の富豪であり、先日はアメリカの映画会社を買収して大きな話題になった。
しかし、懸念されているのはワンダ・グループの中にインフロント・メディアが含まれていることだ。
この会社は以前からFIFAとの関係が語られているスイスのメディア関係企業だ。設立したのは現会長のフィリップ・ブラッター。
彼はゼップ・ブラッター前FIFA会長の甥であり、この会社自体が2002年ワールドカップのマーケティング権などを管理するために作られたものだ。
FIFAはゼップ・ブラッター氏とインフロントの間には何ら関係がなく、契約にもその影響はないと発表しているが・・・
選挙が行われる前から、ゼップ・ブラッター&ミシェル・プラティニの影響下にあると考えられてきたジャンニ・インファンティーノ新会長。彼の就任から数週間、手を結んだのがワンダ・グループ。そこに何らかの構造があるのではないか、と推測されるのは仕方がないところだろう。