また、昨年のJ2で神懸ったプレーを連発し、アビスパ福岡をJ1昇格に導いた中村航輔も、復帰した柏レイソルでもがいている。
柏は長年ゴールマウスを守った菅野孝憲を京都に放出してまで21歳の中村を正GKに据えた。
しかし中村はここまで全3試合に先発し6失点。1分2敗で18チーム中17位に沈む柏は、今年就任したばかりのブラジル人指揮官ミルトン・メンデスが「家族の健康問題」を理由に退任する事態にまで発展した。
J1とJ2のレベルが違うといえばそれまでかもしれない。ただ中村は昨年J2で1点も与えなかった磐田相手にも2失点を喫しており、本来の力を発揮できているとは言い難い。
24歳以上の選手を3人登録できるオーバーエイジ(OA)枠に関し、現役の中村俊輔(横浜F・マリノス)をはじめ、宮本恒靖氏、前園真聖氏といったかつてのスター選手はOAを「不要」であるとした。
しかしリオ五輪のGK候補のうち3人が出場機会を得られず、1人は結果を残せていない。昨年まで「Jリーグ・アンダー22選抜」がJ3に参加し彼らのような選手の出場機会を保証していたが、同チームは昨シーズン限りで活動を終了している。
U-23選手権の大会後、一度は櫛引がリードしたかに思われた正GK争いは現時点で全く先が読めない状況にあるのだ。