先々週、あるシーンがチェルシーファンの間で大きな話題となった。

プレミアリーグ第13節チェルシー対ノリッジ戦。前半12分にチェルシーが右からのコーナーキックを得ると、キッカーのウィリアンは低めの鋭いクロスを供給。ここでキャプテンのジョン・テリーがそのシーンを披露した。

ニアサイドに走り込んでのバックヒール。

シュートは惜しくも枠を外れたが、ブルーズサポーターの頭には即座に共通の場面が浮かび、皆が心を大きく動かされたことだろう。

2002年1月16日、FAカップ3rdラウンド(再試合)の同じくノリッジ戦で、ジャンフランコ・ゾラが決めたあのミラクルゴールと全く一緒の形。

この得点は、コーナーキックをヒールで決めるという技術面の衝撃はもちろん、背景に隠されたあるエピソードとともに「クラブ史上最高のゴール」として多くのサポーターに認知されてきた。

良い機会だ。今回はそのゴールの偉大さについてシェアしよう。

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