シンガポール、カンボジア戦へ向けた日本代表で唯一フィールドプレイヤーで出場数0の選手がいる。FC東京に所属する丸山祐市だ。

今シーズン開始時点で丸山のJ1出場試合は僅か3、今年は大きな飛躍の年になったことは間違いがない。

丸山は、FC東京公式サイトを通じて以下のように述べている。

「日本代表に選ばれ、大変嬉しく思います。東京の代表として、日本の代表として、自分の長所をしっかりとアピールしながら、アウェイの試合が続き体力的に厳しい試合となるのでチームに貢献できるよう頑張ってきたいと思います。応援よろしくお願いします」

詳しく見て行こう。

大学生でU-22代表

バディSCからFC東京U-15に進んだ少年時代の丸山、國學院久我山高校を経て明治大に進学する。

明治大では大学3年時に関東大学サッカーリーグ1部に優勝、自らもベストイレブンに選ばれた。チームは、全日本大学サッカー選手権大会でも優勝を果たしている。

大学4年時には、ユニバーシアード日本代表、U-22日本代表に選ばれた。

経歴的には順調に見える。しかし、FC東京U-15時代はMFから左サイドバックに、さらに、大学二年生次にセンターバックへとポジションを何度かコンバートされている。

明治大ということもあり長友佑都の後輩にあたる。しかし、長友が(大学で試合に出れない時期から一転して)特別指定選手としてFC東京でチャンスをつかんだのとは対照的に卒業後は一般企業に就職しようと考えていたという。

しかし、志望の企業の内定がとれなかったことから、一転プロ入りという珍しい経歴をたどっている。Jリーグ入りの際にはジェフ千葉、大宮アルディージャ、横浜F・マリノスなども獲得を狙ったというが、世代別の日本代表を経験してきたエリートというには険しい道を歩んできたとも言える。

【次ページ】FC東京入りも苦しい日々