2勝1分けという結果をもって、ついに首位を争うシリアと相対することになった日本。会場は中立地のオマーンで、かなりの気温の中で試合を戦った。
ハリルホジッチ監督は、最近重用している原口を左サイドに置いた4-2-3-1を使用。対するシリアは中心的な攻撃陣の4枚を前に置いて、ボランチを2枚にした4-4-2を使ってきた。特殊なところで言えば、サイドバックの2枚を比較的強さのある選手で組んできた形だ。
特殊な環境であったことも影響したのか、日本代表の立ち上がりはかなり難しいものとなった。
後方からボールを繋ごうとしてもなかなかスムーズなパス回しにならない。中盤、あるいは最終ラインでボールを失う場面もあり、失点を喫してもおかしくない前半になっていた。
20分くらいからは徐々に状況への慣れを見せはしたものの、シリアに恐怖を抱かせるようなキレはなく、得点を取るという流れにまでは至らず。ジリジリするような展開でハーフタイムを迎えることになった。
しかし、後半に日本はようやくペースを掴み始める。前半と比べてパスのテンポが数段階上昇し、リスクを冒してプレーすることが出来るようになった。
リトリートで引き気味だったシリアの守備には苦しんでいたものの、相手が苦手としている速攻で先制点を奪取することに成功する。
55分に長谷部の長いボールから岡崎がスペースに飛び出し、対応が遅れたアル・サリーフがタックル。判定に時間がかかったものの、審判はこれにPKを宣告した。
そして本田がいつになく冷静にGKの動きを見たシュートでネットを揺らし、予選全体を考えても非常に大きい1点を決めた。
さらに日本は70分にも香川のドリブル突破から大きなチャンスを掴み、岡崎が追加点を奪取。リードを広げ、試合の展開を握った。
これで攻めなければならなくなったシリアはバランスを崩し、日本には大きなチャンスが訪れていく。
87分には前線で本田が粘ってお膳立てし、途中出場の宇佐美が3点目をゲット。
これで0-3と大きなリードを獲得し、いくつかの大きなピンチも逃れることに成功。単に勝ち点3と言うだけでなく、得失点差、そして直接のライバルを突き放すという点でも大きな結果になった。
結果
シリア代表 0-3 日本代表
(得点)56’ 本田圭佑,70’ 岡崎慎司,88’ 宇佐美貴史