ウィルソンはイングランドのスタッフォードシャー州のビダルフ出身。1995年生まれの19歳で、ユナイテッドのスカウトに7歳の時に見い出されたが、クラブの下部組織に加わったのは14歳の時だった。2012年の7月に奨学生として契約、同年末の誕生日にプロ契約を結んでおり、スカウトと会ってから10年の時を経っていた。

イングランドの年代別代表を経験しているが、プレミアリーグでデビューしたのは2013-14シーズンの5月、ハル・シティ戦。ロビン・ファン・ペルシーと交代するまで64分間出場し、2ゴールを奪う鮮烈デビューを果たした。指揮官の変わった昨シーズンも出番を得ており、プレミアリーグでは13試合に出場。途中出場が殆どだったが、QPR戦で終了間際にゴールを奪っている。

今シーズンはトップチームで更なる出番が期待されるものの、ユナイテッドの層は非常に厚い。エルナンデスやヤヌザイはクラブを離れたが、前述のマルシャル、オランダ代表FWのメンフィス・デパイ、そしてエースのウェイン・ルーニー。マルアヌ・フェライニを前線で起用することも考えれば、ベンチで過ごす時間が長いと考えられている。

U-21のイングランド代表を率いるギャレス・サウスゲイトはウィルソンを高く評価する1人だ。先週の木曜日、U-21イングランド代表は年上のU-23アメリカ代表と対戦しているが、ウィルソンは61分から途中出場すると72分に決勝ゴールを奪っている。

ギャレス・サウスゲイト
(U-21イングランド代表監督)


「所属クラブでは充分な出場時間を得てこなかった。我々は彼を耐えながら待つしかない。ユナイテッドが最適な方法で彼の成長の舵取りをすることを信じているよ。まだ少しフィジカル的にも成長する余地がある。もっと試合でプレーするにつれ、彼は更に強くなるよ。彼と一緒に戦うにはまだ時期尚早だ」

多方面から期待を集めるウィルソン。U-21の試合直後は15クラブと報じられていたが、3日間で5クラブ以上がローン受け入れ先として新たに名乗りを挙げた様子。全20以上のクラブの詳細は明らかになっていないが、大きく注目して良い選手なのは間違いない。

余談だが、ウェールズ代表にも同じ名前の選手がいる。オールダム・アスレティック所属の26歳のDFだ。彼のミドルネームはスティーヴンであり、ユナイテッドのウィルソンのミドルネームはアンソニー。いつか両選手が対戦する機会を見てみたいものだ。

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