― 本日はありがとうございます。さっそくですが、元々サッカーをやられていたということで、ポジションはずっとFWですか?
そうです。
― 足が速かったとか?
いや、違います。子どもの頃の指導者に聞くと、どうも当時から“ゴール感覚”があったみたいです。自分ではそういったことをまったく感じていませんでしたが、ビーチサッカーの大会などで得点王を獲ったことで『ゴール感覚があるのかな』と何となく思うようにはなりました。ただ、学生時代は身体能力の高い選手やうまい選手が他にいるのに、なぜ自分が使ってもらえるのだろうと正直不思議でしたね。
― 自慢ではないですが私は“ゴール感覚”をあまり持っていません。やはり点を獲るために何をするか、常に考えている感じなんですか?
それが、そこまで意識はしていません(笑)。もちろんゴールから逆算して考えているときもあります。ただ、サッカーではまったく同じシチュエーションというのは決してありません。常にゴールを狙う姿勢は持っていますが、緊張状態というよりはリラックスした状態を保っている感じです。
― 2005年に沖縄国際大学へ進み、そこでビーチサッカーを始められました。プレーしてみて、最初の印象というのは?
もう楽しくて仕方なかったです。ゴールをたくさん決められるし、取られてもすぐに取り返せるので、すごく好きですね。ビーチサッカーだからと戸惑う部分も全然なくて、砂の上でやる普通のサッカーという感じでした。最近は戦術なども身に着けていますが、個人的には本当にサッカーの延長です。
― パスやシュートにおいて、サッカーとビーチサッカーで違う部分はどういったところですか?
浮き球ですね。下が不安定なのでボールが浮いていたほうが受けやすいですし、浮き球は重要です。ただ、『サッカーとは別のスポーツだ』と言う人はプレーヤーの中にも多いのですが、僕はあくまで『サッカーはサッカーだ』という印象です。シュートもサッカー同様、GKの位置を見て空いているところを狙うといった感じで。とはいえビーチサッカーの場合、ゴロで狙うのはフリーキックのときぐらいです。
― そして2008年にはJFA全日本ビーチサッカー大会でMVPを受賞されましたが、翌2009年に一度サッカーに戻られました。その理由は?
若くてちょっと調子に乗っていたというのもあるんですが、2008年ごろに代表監督と衝突してしまいました。それで招集すらされなくなったので、最後に大会で個人タイトルでも獲ってやめてやろうと。実際に獲れたので、すっきりしてサッカーに戻ろうと思いました。
― それでアルビレックス新潟シンガポールへ加入したんですね。シンガポールはどうでしたか?
半分が契約選手、半分がJAPANサッカーカレッジの生徒だったため、技術の差は感じました。また、監督の方針が『勝利第一』ではなくレベルを上げてどんどんステップアップしていってほしいというチームだったので、試合の日なのに午前中にフィジカルトレーニングをするといったことが当たり前でした。毎日必ず2部練習で、内容もほとんど走りで本当にきつかったです。ただ、昔は持久力が全然なかったので、あのときに鍛えられた部分はかなりありますね。フルコートでの2対2とかを永遠にやらされました(笑)。当時の仲間で今も海外で頑張っている選手もいますし、結果的に非常にためになったと感じています。
― そうした中で、ビーチサッカーに復帰したのはなぜだったんでしょう?
正直なところ、サッカーよりもビーチサッカーのほうがやはり自分に合っていたし楽しかったので、シンガポールでプレーしているときから戻ろうと思っていました。