その日、韓国はテジョンの空にあの男のガッツポーズが炸裂した。

時は2002年6月18日、日韓ワールドカップのベスト16。グループステージを勝ち抜いた韓国は、ホームに強豪イタリアを迎えていた。

負ければ終わりの決勝ラウンド。空前のサッカーブームが到来し、圧倒的ホームアドバンテージを持つ韓国だが、さすがに相手が悪すぎる―。世界中がそんな風に思っていたはずだ。

しかし、名将フース・ヒディンクが再び“マジック”をかける。

18分、クリスティアン・ヴィエリに先制弾を許した韓国だったが、試合終了間際の88分、ソル・ギヒョンが同点ゴールをあげ土壇場で延長戦へ。今なお議論が耐えない判定ではあるがフランチェスコ・トッティが117分にレッドカードを受けて退場すると、“カテナチオ”にほころびが生まれた。

左サイドからのクロスにFWアン・ジョンファンが頭で合わせ、劇的なゴールを奪う。

当時、延長戦はゴールデンゴール方式だった。アズーリのイレブンはその場で倒れこみ、このあまりにドラマチックなゴールに韓国中が湧いた。

最後に、この試合のハイライト映像を紹介する。

実況はフジテレビの青嶋達也氏、解説は高木琢也氏。

きわめて貴重な日本語によるコメンタリーであり、テジョンの熱狂的なムードを感じるにはこれ以上ない映像である。

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