開幕初日のドイツ対セルビア戦を担当するのは、柿谷曜一朗や水沼宏太、齋藤学ら擁するU-17日本代表を率いた城福浩氏である。
FC東京やヴァンフォーレ甲府でも監督を務めたことのある城福氏は現在どこのチームにも在籍しておらず、『スカパー!』などで解説を務めている。口調は穏やかであるが、情熱的な解説で人気を博している。
アンダーカテゴリの日本代表監督を長年務め、2013年のU-17ワールドカップでも日本代表を率いた吉武博文氏はイングランド対ポルトガル戦を担当。
世界を圧倒した"96ジャパン"は残念ながらベスト16で敗退したが、当時のチームに大きな可能性を感じたファンも少なくないはず。現在は岡田武史氏がオーナーを務めるFC今治でトレーニングメソッド部長務めるなど「岡田メソッド」の中心事業を行っているのだが、サッカー中継の解説を担当するのはかなり珍しいことである。
『J SPORTS』で時折ブンデスリーガの解説をしている川田尚弘氏もドイツ戦を担当する。
大迫勇也や長澤和輝ら擁するケルンで強化部スカウトをしている同氏は、以前ボルシアMGのユースでコーチをしていた。トニ・ヤンチュケを指導するなど本場での育成経験があり、今大会も貴重なエピソードが聞けそうである。
“テグさん”の愛称で知られ、現在のU-22日本代表を率いる手倉森誠氏もなんと今大会解説を務める。現役の日本代表監督がこうしてサッカー解説を引き受けるのはきわめてレアなケースである。今大会の上位チームにはリオ五輪への出場権が与えられるため、手倉森氏にとってもこの大会はスカウティングの対象となるだろう。
そして、現在柏レイソルU-18の監督を率い、第36回日本クラブユースサッカー選手権で全国制覇を成し遂げ話題となった下平隆宏氏も解説業に参戦。育成年代のスペシャリストとして知られており、これまた解説業に挑むのは珍しいと言える。ちなみに、姓の読みは「しもたいら」。
このように、『WOWOW』は育成年代に精通したスペシャリストたちをU-21欧州選手権の解説者に起用している。単なる戦術分析ではなく、育成年代ならでは情報や視点を中継の中に組み込みたいようだ。
ますます楽しみな今年のU-21欧州選手権。開幕初日に行われるドイツ対セルビアの試合は、日本時間18日(木)午前3時30分より『WOWOW ライブ』で生中継予定。