予選の感想

強豪国の多くは順当に予選を通過した。

その中でも、UAE(グループD)、韓国(同H)、日本(同I)、中国(同J)は無失点。対戦国のレベルも関係しているためひとえに評価はできないが、取りこぼしのない堅実な戦い方が目についた。

波乱が起きたのはグループEだ。

中央アジア屈指のストライカーの呼び声高いFWイゴール・セルゲエフ、A代表の経験も豊富なMFジャムシード・イスカンデロフ(共にパフタコール・タシケント/UZB)らを擁するウズベキスタンが伏兵シリアに敗れ、2位でBグループの結果を待つことに。シリア攻撃陣の前線からの連動したプレスにハマってしまい、後方からの組み立てが出来ず、試合を通して押し込まれてしまった。

グループDではここ数年満足な成績を残せていないイエメンが久々の本大会進出。東地区では攻撃陣にタレントを擁するベトナム、タイの東南アジア勢が健闘し、2位グループで予選を勝ち抜いた。

ここまでの予選MVPは、シリアのFWオマール・ハルビン(アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ/IRQ)か。

グループEで挙げた得点はグループBを除く全選手の中でトップの6ゴール。天王山となったウズベキスタン戦ではPKを含む2ゴールを叩き出し、シリアをグループ首位通過に導いた。

中央からサイドに流れドリブル突破を図るおなじみのスタイルに加え、チームではポストプレーヤ―としての役割もこなしていた。

ちなみに彼はシリアA代表でも主力として活躍しており、W杯3次予選でハリルホジッチ監督率いる日本代表と対戦する可能性が高い。覚えておいて損はない名前だ。

個人的に気になった試合は、グループJのモンゴルvsシンガポール。

モンゴルは立ち上がりの8分にMFムングンシャガイ・ツォグトバータル、45分にプレブドルジ・エルデネバトがゴール。守ってはシンガポール攻撃陣を18歳の怪物FWイルファン・ファンディ(ヤング・ライオンズ/SIN)の2得点に抑え、2-2で試合終了のホイッスルを迎えた。

FIFAランキングではシンガポールが162位なのに対し、モンゴルは参加国中最下位の200位。引き分けという結果はまさしく大健闘といえるだろう。

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