26日、チャールトンはホームスタジアムであるザ・バレーを一般市民向けに開放すると発表した。要は「このスタジアムで思い出を作りませんか?」という企画であり、5月だけの特別プログラムであるという。

仮に30人を集めてサッカーをするなら、1人あたり58ポンド(およそ1万680円)で利用できる。プロが使用する憧れのスタジアムでプレーできるなら、決して高くはない金額だろう。

そう、さきほどの動画はザ・バレーでの一般利用を告知する動画であり、その拡散を生むためにチャールトン側が仕掛けたものだったのだ。

チャールトンはこの告知を「ザ・バレーで点を決めろ!」というタイトルで伝えている。目指すゴールこそ違うが、確かにこの男性はザ・バレーでゴールを決めちゃっている。

【英国『BBC』もこれが広告キャンペーンの一環だったと伝えた】

こういったセクシャルな利用が可能かどうかはさておき、今回チャールトンが行った手法は広告マーケティングの観点から見てもきわめておもしろいものである。

まず、「事件」となるような 仕掛けの動画をWeb上に忍ばせ、それを拡散させる(これをマーケティング用語で「バイラル」と呼ぶ)。そうした事件性を作ることでマスメディアはこれを伝え、その話題性は大きくなる。そして、消費者の注目や関心を集めたところでネタバラシ。

消費者の生活スタイルが多様化し、以前のようにマスマーケティングが機能しない今日ではこうした「事件性を作る」、あるいは「仕掛けを用意する」といったPR手法が非常に効きやすくなっている。先日、新宿駅の地下通路に出現した「10万匹のスライム」がそれに近い例かもしれない。

ちなみにこのチャールトン、このリリースと同時に先ほどの動画の全編となるCMを公開している(気になる方はこちらからどうぞ)。

おそらくだが、スタジアムの一般開放を伝えるCMをただこのまま流しても、現代の消費者にはそこまで訴求しなかっただろう。しかし、こうして仕掛けを作った上で公開することでその効果は格段に違うのだ。

2部リーグで現在18位と苦しむチャールトン。そのクリエイティビティをサッカーの方でも発揮したいところである。

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