元日本代表でサンフレッチェ広島のMF高萩洋次郎が2014年のアジア王者、オーストラリアのウエスタン・シドニー・ワンダラーズに完全移籍で加入することが決まった。14日に両クラブより発表されている。

日本代表MF本田圭佑と同じ北京五輪世代の高萩は現在28歳。

東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県いわき市の出身で、広島ユースから2003年にクラブの最年少記録となる16歳8ヶ月でデビューし、高校生でプロ契約を結んだ。

デビュー当初は元スペイン代表ジョゼップ・グアルディオラ(現バイエルン監督)に例えられるボランチであったが、愛媛FCでの武者修行を経て、2008年のJ2時代に攻撃的MFのポジションを確保。森保一体制となった2012年以降、卓越したテクニックと創造性溢れるパスの数々で絶対的な司令塔へと成長し、2012,13年のJ1連覇を牽引した。

2012年にはベストイレブンに選出されているが、MVPに選ばれても不思議ではないほどの働きぶりで当時、ドイツ・ブンデスリーガのハノーファー96が獲得に興味を示しているとも報じられている。

その活躍が評価され、2013年7月にアルベルト・ザッケローニ体制の日本代表へ初招集。同月に行われた東アジアカップでA代表デビューし、2試合にプレーしている。

しかし、広島は2014シーズン、リーグ3連覇を逃して8位に終わり、高萩は昨年末に13年所属したクラブの退団と海外挑戦の意思を表明。英語圏の国を中心に移籍先を探していた。

J1通算184試合22得点、J2通算86試合17得点、日本代表2試合0得点。

一方、2012年に創設されたばかりのウエスタン・シドニーは、元イタリア代表アレッサンドロ・デル・ピエロと並ぶ“目玉"として獲得した小野伸二(現コンサドーレ札幌)を擁し、2012-13シーズンに参入初年度にして国内リーグで優勝。昨年には創設僅か3年にしてアジア・チャンピオンズリーグ(以下ACL)制覇という偉業を成し遂げた。

同クラブは創設より現役時代にサンフレッチェ広島でプレーした元オーストラリア代表DFトニー・ポポヴィッチ氏が指揮官を務めており、おそらくだが昨年広島とACLで対戦した縁と、高萩が英語圏でのプレーを希望したことが重なり今回の契約に繋がったものと思われる。

なお、ウエスタン・シドニーは11日に元川崎フロンターレのDF田中裕介とも契約を結んでおり、高萩も田中と同様ACLのグループステージとラウンド16限定の短期契約になるという。ウエスタン・シドニーは今年度のACLで鹿島アントラーズと同じH組に入っている。

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