ベトナム代表FWレ・コン・ビンが2013シーズンにレンタル移籍先のコンサドーレ札幌で成功したことを受け、多くのJクラブがベトナム人選手への関心を示している。各クラブ関係者は、間もなく開幕するVリーグ2015シーズンで第2、第3のレ・コン・ビンを探したい考えだ。
高まる東南アジアのサッカー熱と市場開拓を狙う日本
Jクラブにとってレ・コン・ビンのようなスター選手を獲得することは、単に戦力としてだけでなく、経済発展著しい東南アジア市場の開拓を狙ってのものだ。これは、Jリーグが取り組んでいるアジア戦略の一環であり、同戦略では特に4億人の人口を有する東南アジアへの進出を目指している。
Jリーグはこれまでに、タイ、インドネシア、ベトナムなど東南アジア6か国のリーグと提携。2014年からは提携国枠を導入しており、ヴァンフォーレ甲府とコンサドーレ札幌がこの提携国枠を利用して、インドネシア人のMFイルファン・バフディムとMFステファノ・リリパリをそれぞれ獲得した。
レ・コン・ビンに続く東南アジア選手として期待された両選手だが、今季リーグ戦出場はならず、消化不良のシーズンとなった。両選手はシーズン終了後に退団が決定しており、東南アジア進出を促進する札幌は、ベトナムやインドネシアから新たな東南アジア人選手を探していたが、結局、甲府を退団したイルファンを獲得した。
“第2のレ・コン・ビン"誕生を目指し...
札幌は、イルファン獲得を決定する前、ベトナム人選手の獲得に向けて積極的に動いており、U-23ベトナム代表の主力であるFWマック・ホン・クアン、MFブー・ミン・トゥアン、MFグエン・フイ・フンなどに関心を示していたとされている。特に、マック・ホン・クアンには、複数のJクラブから獲得の打診があったが、ベトナムの所属先との契約問題が発生していたため、日本移籍は実現しなかった。
また、来季は黄金世代と期待されているU-19ベトナム代表のメンバーがVリーグでプロデビューを果たす。エースFWグエン・コン・フオンのもとには、既に日本や韓国、ヨーロッパの複数のクラブが獲得を打診しており、ファンの間では数年後の海外移籍先がしばしば話題に上る。
Vリーグ2015シーズンは1月4日に開幕する。来季はリーグのメインスポンサーにトヨタ自動車がつくなど、これまで以上に日本からの注目も増すと見られる。第2、第3のレ・コン・ビン誕生が今から楽しみだ。
(C) bongda+, レ・コン・ビン(左)と札幌の野々村芳和社長(右)