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2011年10月7日(金) - ホームズスタジアム(神戸)
Japan
1
1-0
0-0
0
Viet Nam

25'
得点者




非常に重要なワールドカップ予選タジキスタン戦を4日後に控えた準備試合。東南アジアではトップクラスの力を持つベトナムをホームに迎え、良い結果を残して勢いを付けたいところであった。

ところが、試合内容はザッケローニ体制最悪に近いものになってしまった。プレーの内容どうこうより、なによりおそらく現体制になって初めて「大きな修正が効果をあまり表さなかった」。相手との力の差があったため勝利で終えることが出来たものの、わずか4日後に訪れる大舞台の前に課題ばかりを積み上げた。

3-4-3を選択して望んだ前半はシステムが空回りした。

香川は自ら点を取ろうという意識が強く、藤本はサイドを狙っていた3トップ。その結果、李の後方には「誰も入ってくることのないスペース」が生まれていた。李が前に残っていれば距離が遠すぎて縦パスは入らず、かといって下がってくればダイレクトで叩く場所がなく囲まれる、ハイボールを当ててもセカンドボールを拾えない。中央の攻撃は死んだ。

そのため相手は中央を固める必要がなく、サイドも消していた。中央が死んでいたため外に運んでも、長友や駒野は中に絞らないので空いたスペースも使えない、ストッパーが上がるエリアも潰されていて攻撃の厚みが出来るのも遅い、かといって時間をかけても厚くない。

前半の終盤になると香川が中に絞るプレーが増えたが、彼自身のキレがないことと、そこからサイドに展開するプレーの乏しさ、ストッパーとサイドハーフの連携不足からチャンスにならず。閉塞感漂う前半であった。

その中で点を取れたのは、その死にスペースを上手く使えた場面からだ。高い位置でボールを奪い、長谷部が中央に持ち上がって右にスルーパス。サイドを狙っていた藤本が飛び出して突破し、中央に折り返し。李がダイレクトで合わせてゴールに決めた。長谷部は比較的序盤から死にスペースを生かしたいという動きがあったが、相手の中盤の枚数が多いため常に上がれずにいた。そのバランスが難しい中でチャンスをものにしたのは、さすがである。

そして後半は4-2-3-1にチェンジする。いつもならばこれで改善されるところなのだが、この試合ではそうはいかなかった。後半開始直後に今野がボールを奪われてあわや失点という場面が訪れ、それ以降動きも連動も少なくイージーなパスミスが続出。

トップ下に中村憲剛を入れて李との縦の関係を作り、中央にポイントを作ることで相手の守備を動かしてサイドも生かす。形としては正解だったと思われるが、今度はディフェンスから前に持って行くための手段がなくなってしまった。特に長谷部を交代してしまったために、流動的な動き、また中村憲剛が囮になったときに入っていく選手がいない状態。

時折原口がドリブルで仕掛ける以外は、ただただボールを回すだけ。終盤になって相手の動きが落ちてからはチャンスも迎えたが、それまでは得点が入る可能性すらも感じられない時間が長く続き、結局1-0のままで試合を終えた。

本田&内田の負傷と香川の不調。いつまで経っても機能する兆しを見せない3-4-3システム。皆無と言っていい長谷部不在時のオプション。ザックジャパンは様々な宿題を抱えたまま、大一番を戦うことになってしまった。

(筆:Qoly編集部 K)

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