11月半ばに始まったスズキカップは、ついに大会最後の試合を迎えた。決勝ファーストレグではタイが2点を奪って勝利を収めており、マレーシアがそれを追う。

試合は開始直後に動きを見せた。キックオフからわずか5分、右からの折り返しの際にノルシャフルル・イドランがスティヌン・プクホムと接触。これがPKの判定となり、マレーシアが一点を返す。

タイは先日「ティキ・タカだ」と話題になったように、ショートパスを回して攻めるチーム。

何度もチャンスは作っていたものの、まだリードを持っていることからかいつも以上にラインが低いため、ピンチを迎える場面も多くヒヤヒヤの展開になっていた。

そしてその不安定さは結果に繋がった。

前半終了間際、ホームのマレーシアが3本目のシュートで2点目を奪取したのである。右サイドからノルシャフルルがクロスを入れ、ファーポストでインドラ・プトラがヘッドを決めた。

これで試合は完全なる振り出しに戻され、イーブンの状態で最後の45分を迎えることになった。

後半はリードを失ってしまったタイが圧倒的に攻める展開で始まったものの、追加点を奪ったのはなんとマレーシアだった。

58分、後半最初ともいえるチャンスのセットプレー。サフィク・ラヒムが蹴ったシュートはゴール左隅に吸い込まれ、値千金の追加点となった。

しかし81分、敵地でリードを奪われ絶体絶命の状況となっていたタイにようやく女神がほほ笑んだ。サラシュ・ユーヤンのフリーキックがキーパーに弾かれたところに、今大会大活躍を見せているシャピュイが詰めてゴール!

さらに86分、途中出場のサラウート・マスクが右サイドを持ちあがってパスを送り、アディサック・クライソーンがポスト。これを受けたチャナティップ・ソンクラシンが左足で豪快にシュートを放ち、マレーシアにとどめを刺す2点目を決めた。

これによって2試合の合計は3-4となり、タイが2002年大会以来12年ぶりの優勝を飾ることに成功した。

今回代表キャップが30以上ある選手がGKのカウィン・タマサチャナンだけという非常に新鮮なチームで臨んできたタイであるが、ショートパスにこだわった非常に魅力的なサッカーを見せてくれた。

欲を言えばもっとも守備が組織的だった三浦監督のベトナムとの対戦が見たかったところだが、それは2年後のお楽しみだ。

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