・後半はアウェイチームの猛攻が続き…
前半は川崎が主導権を握ったが、後半はアウェイの広島が徐々に盛り返す。前半は沈黙した両サイドが攻撃の起点となり、相手を押し込むことに成功したのだ。流れが自分たちに傾き始めたことを感じ取った森保一監督は後半12分、皆川と浅野に代えて佐藤と高萩を投入。勝負手を打った。
結果的に、この交代は広島の勢いを更に加速させた。右サイドの清水航平、左サイドの柏好文が切れ味鋭い突破を見せれば、前半はほとんど攻め上がることのなかった塩谷司、水本裕貴が積極的にオーバーラップを仕掛け、川崎守備陣を混乱させていく。ここで惜しむらくは、後半12分に退いた皆川の存在だ。高身長(186cm)を誇るターゲットマンであれば、サイドからのクロスをモノにできたかもしれない。後半26分には野津田がシュートを放つも、惜しくもポストを叩いた。
前半とは打って変わって防戦一方となった川崎だが、守護神・西部洋平の好セーブもあり、ゴールは割らせない。後半34分には小宮山尊信に代えてジェシを投入し、逃げ切りを図る。今シーズン限りでの退団が決まっているブラジル人センターバックの登場に、川崎サポーターのテンションも上昇。ジェシのチャントが高らかに響いた。
しかし、後半43分に広島が同点に追いつく。ショートコーナーから青山敏弘がクロスを上げる。水本が放ったシュートのこぼれ球を押し込んだのは広島のエース・佐藤寿人。土壇場で勝負強さを見せたエースのゴールで、スコアは1-1となった。
その後4分のアディショナルタイムでは、両チームともにセットプレーのチャンスを得るも、ゴールには結びつかず。最後まで見応えのあった好ゲームはドローに終わった。