ブラジル戦の惨敗から一夜明けた日本時間15日、日本のフットボールファンたちはある衝撃的なニュースで目覚めることになった。2016年欧州選手権の予選のセルビア対アルバニア戦で、見たこともない光景が繰り広げられていたのだ。

すでにお伝えした通り、この試合ではアルバニアサポーターと思われる人物がコソボの領有権に関する政治的メッセージを載せた無人飛行機をスタジアム上空に飛行させ、これにより試合は一時中断。セルビア代表DFステファン・ミトロヴィッチがこれを回収しようと引き下ろしにかかるが、これがアルバニアの選手たちを刺激し両チームが入り乱れる展開となっていた。

その後、興奮したセルビアのサポーターがピッチ上へと侵入し、ミトロヴィッチをはじめとする選手たちに暴行。アルバニアの選手たちはたまらずピッチを退散するが、セルビアサポーターから一斉に物が投げ入れられるなど、まさに混沌とした状況が続いた。結局、主審の判断により試合は中止となっている。

サッカーの世界では、政治的背景により問題が生じることはそう珍しいことではない。しかし、そうしたメッセージを無人機を使って掲載するというのはある種不気味とも思える手段であり、本来は警備体制が万全であるはずの国際舞台でファンが乱入し、相手選手を傷つけたというその事件性は前代未聞であると言わざるをえない。今後、UEFAおよびFIFAがどのような声明を発表するのかにも注目が集まりそうだ。

そんなネガティブな意味で歴史的な日となった現地時間14日、試合が行われたパルチザン・スタジアムには1人の日本人男性の姿があった。

岡島智哉さんは福岡県出身の男性。今年5月から世界一周旅行をスタートさせており、ブラジルW杯も現地で観戦したサッカーファンだ。

ブラジルW杯終了後、岡島さんはヨーロッパへと渡り、新シーズンの開幕とともに各国を歴訪している。ここ数日はスロベニアのマリボル、クロアチアのザグレブを訪れており、事件が起きたこの日、セルビアの首都ベオグラードにいたのだ。この度、こうした現場の様子をご紹介させていただくことを快く了承してくださったことに感謝したい。

岡島さんによれば、試合前から“予兆”のようなものがあったという。岡島さんは自らのブログの中で、国歌斉唱の際のブーイング、試合中の緊張感、そしてスタンドにいたセルビアファンの様子を克明に綴っている。

EURO予選【セルビア 対 アルバニア】(没収試合)

岡島さんのブログでは、ニュースでは伝えられていないスタジアムでの細かい様子が描かれている。中でも、岡島さんはセルビア人の観客から歓迎を受け仲良くともに観戦していたようなのだが、その一方で彼らのアルバニア人に対する敵意も強く感じたという。民族意識の低い日本人にとっては、なかなかイメージしづらい世界である。

EURO予選【セルビア対アルバニア】②(続き)

詳しくは、岡島さんのブログを参照していただきたい。日本にいる我々にも、感じるものはあるはずだ。

【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

ラッシュフォードの私服がやばい