なぜ降格したチームが1部に?
これにはメキシコリーグでも初のケースとなる「法の穴を突いた」手法があったのだ。
2部リーグでの戦いを良しとしなかったオーナーは、すでに1部残留を果たしていたハグアレス・デ・チアパスを金銭で買収。
さらに、クラブの本拠地をケレタロ州に移し、名称を「ケレタロFC」に変えるという大技を実行に移したのである。
この結果、新たな「ケレタロFC」は1部残留。その一方でそれまでサン・ルイスと名乗っていたクラブがチアパス州への移転を行い、名称を「チアパスFC」に変更した。この結果、サン・ルイスというクラブが1部リーグから消滅(降格扱い)することになった。
もちろんこの手法はいくらなんでも反則では……ということで批判はあったものの、メキシコでは伝統的にオーナーの力が強く、法的にも抜け道を通った形となり、最終的には大きな問題になることはなかった。
世界的にも珍しい「他のクラブの所有権を買って母体を移し2部降格を避けた」というクラブであるケレタロFC。
とはいえ、メキシコではそれほど強豪ではなく、特にこれまで大型補強を繰り返してきたわけでもない中堅、あるいは下位のクラブである。
しかし今回ロナウジーニョが加入したということで、国内のみならず世界的にもその名を知らしめることになった。