3位決定戦は点がよく入る―。サッカーファンであれば、そんな都市伝説を一度は聞いたことがあるかも知れない。

そう言われるのにはそれらしい根拠がある。「3位決定戦は多くの場合、負けても痛手を喰らうことがないため、両チームがより積極的になる」というものだ。

考えてみれば確かにそうかもしれない。

決勝戦は、負ければ絶望をともなう。準々決勝、準決勝も同じだ。勝った方が次のラウンドへと進み、負けたものは大会から去る。3位決定戦というのはお互いすでに吹っ切れた状態にあり、そういった殴り合いのゲームが発生しやすい可能性はある。また、3位決定戦ではこれまで控えだった選手も出場することが多く、より奮起しやすい条件が整っているとも言える。

では、3位決定戦は本当に点がよく生まれているのだろうか?日本時間13日早朝に行われる2014年W杯の3位決定戦を前に、一度検証してみたい。

▼W杯全大会を検証

まず、W杯の全大会で生まれた3位決定戦でのゴール数を調べた。それが下の表である。緑が背景のエリアが3位決定戦の得点で、背景がオレンジのエリアが決勝戦の得点だ。

結果から言えば、 3位決定戦はやはり決勝戦より点が生まれていた

3位決定戦が 1試合平均4得点だったのに対し、決勝戦は3.588得点。これはW杯全試合の平均得点3.128と比較してもやはり1点近く多く、上述した精神的な要素が結果にも反映していると言える。

しかし、W杯発足直後の大会といえば、国によってあからさまに実力差があり、現代ほど拮抗している状態であるとは言い難い。実際1958年大会は3位決定戦で9点、決勝戦で7点が生まれており、現代サッカーと単純に比較するのは困難である。

そこで、24ヵ国が出場するようになった1982年大会以降に限定して再検証した。すると、なかなかおもしろい結果が明らかになった。