ベルギーとの壮絶な一戦に敗れ、失意に沈んだアメリカ代表。しかし、そんな悲しみから一夜明け、同国の未来にとってはてしなく明るい話題が伝えられている。
USA could bid to host the 2026
#WorldCup, according to Fifa bosses http://t.co/7nyTrtGmTj pic.twitter.com/GeWAAUAVS3
— BBC Sport (@BBCSport)
2014, 7月 2
英国『BBC』によると、アメリカが2026年W杯の開催地に立候補するかもしれないというのである。順を追って説明しよう。
すでに伝えられている通り、今大会はアメリカでのフィーバーぶりが世界的に話題となっている。 開幕戦の際には記録的なツイート数を記録し、昨日のベルギー戦ではバラク・オバマ大統領も試合の行方を見守っていた。
そんなアメリカでの熱狂ぶりについて、FIFAの事務局長を務めるジェローム・ヴァルケ氏がこのようにコメントしたという。
ジェローム・ヴァルケ(FIFA事務局長)
「アメリカと一緒にやっていくための関わりが(FIFAには)ある。
我々がアメリカで見た光景は驚くべきものであった。観衆の数は史上空前で、NBAのそれを上回っていたよ。アメリカには2000万人ものユース選手がプレーしており、世界の中でも最も大きなユースの規模を持っている。
2022年の後になるが、アメリカは2026年W杯の開催に関心を寄せているのではないかと思うね」
アメリカはすで2022年W杯の開催地に立候補していたが、決選投票の結果惜しくもカタールに敗れていた。しかし、同国連盟の会長スニル・グラティ氏はかねてより2026年大会への立候補を仄めかしており、その動向が注目されていた。
そしてこの度、アメリカでの熱狂の様子を見たジェローム・ヴァルケがこのようなコメントをしたことで、その風向きがより強まるのではないか、と記事には記されている。ジェローム・ヴァルケはブラッターの腹心であり、きわめて影響力の強い要人であるのだ。
また、FIFAのゼップ・ブラッター会長も「アメリカでは、サッカーに対する関心が非常に高い。今大会はアメリカ人をハラハラさせており、試合の質も信じられないものだ」とコメント。ヴァルケのコメントに賛同する形で、アメリカの立候補を受け入れる構えを見せた。
なお、現行のレギュレーションでは「同一大陸の国は次の2大会に立候補できない」ため、2026年大会は事実上ヨーロッパとアジアを除く大陸での開催となる(2022年大会がアジアで行われることになれば)。Wikipediaによれば、他にはカナダやメキシコに立候補の構想があるようだ。
1994年に単独開催を実現させ、ロベルト・バッジョのあのPK失敗から20年。アメリカ人が見せたサッカーに対する熱量が、同国の未来を少しだけ切り拓こうとしている。