現在のチームを牽引するのはU・チレ組とビダル、アレクシス・サンチェス、イスラ、メデルら2007年U-20ワールドカップで3位となった“黄金世代”。
その中心となるのがイタリアの名門ユヴェントスを3連覇に導き、今や世界最高のセーターハーフに数えられるほどに成長したビダルだ。最終ラインから中盤の攻撃的なポジションまでサイド・中央を問わずプレー可能で、並外れた運動能力と超人的な運動量をベースに攻守にダイナミズムを発揮。ビエルサ、サンパオリと続くアクションフットボールの象徴的な存在となっている。
僅か17歳で代表にデビューした早熟の天才、アレクシス・サンチェスは前線を牽引する。爆発的なスピードと天性の敏捷性を生かし、切れ味鋭いドリブルから相手守備網を突破するアタッカーだが、ウディネーゼでは点取り屋、バルサではメッシの陰に隠れながも狭いエリアでのフィニッシュワークに磨きをかけ、確実な結果を残している。ビダルと共にこのチームに欠かせない存在だ。
それからサンパオリが指揮を執っていたウニベルシダ・デ・チレの攻撃の核だったバルガスだ。2011年のコパ・スダメリカーナでは11ゴールを決め、クラブに国際タイトルをもたらすと同時に得点王にも輝き、同年の南米年間最優秀選手賞ではネイマールに次ぐ2番目の票を集めた。欧州では本領を発揮できていないが、代表では恩師の下がっちりレギュラーを獲得しサンチェスとのコンビでゴールを量産。昨年は実に12試合9得点を記録している。
他にもバルサ行きの噂もある守護神ブラボ、“チリのガットゥーゾ”ことメデル、魔術師バルディビアらタレントを擁している。選手交代のたびに彼らの個性に応じてシステムを変えながらもチームとしての方向性を保つその応用力の高さもこのチームの特徴だ。