アントニオ・プエルタがこの世を去って、今年で6年の歳月が経つ。

セビージャで若くから頭角を現し未来を嘱望されたプエルタは2007年8月25日、リーガ・エスパニョーラの開幕節ヘタフェ戦で突然ピッチに倒れ、3日後息を引き取った。当時弱冠22歳。あまりに早すぎる生への別れに、国内外から悲しみの声が漏れた。まもなく黄金期を迎えるスペイン代表の栄光を見届けることなく、プエルタは亡くなったのだ。

しかし、である。

スペイン代表がEUROを制したウィーンのピッチにも、史上初めてW杯のタイトルを獲得したヨハネスブルグの歓喜の中にも、そして、EURO2連覇という偉業を成し遂げたキエフでの興奮の中にも、プエルタの姿はあった。

そう、親友セルヒオ・ラモスの胸の中でプエルタはスペイン代表の栄光を分かち合っていたのである。

セビージャの下部組織出身であるセルヒオ・ラモスは、同アカデミーでプエルタとともに育つ。年齢も近く2人の友情は強かったそうだ。そして、すでにレアル・マドリーへと移籍したセルヒオ・ラモスのもとに、その衝撃の事実は伝えられたのだ。